あの後すぐに警察に連絡を入れ、毛利探偵事務所に目暮警部が来た。
「では、こういう事かね？　樫塚圭さん、あなたはコインロッカーの操作を毛利君に依頼する為にここへ訪れたが、毛利君の助手と名乗る男に出迎えられ、スタンガンで気絶させられて、気が付いたらガムテープで拘束され、トイレに押し込まれていたと。」
　女性は自身を樫塚圭と名乗り、よほど怖かったのだろうか、目には涙を浮かべていた。
「は、はい。逃げないようにブーツを脱がされ、靴ヒモまで抜かれました。」
「うむ、そして毛利君達が戻ってきて、トイレにあなたを監禁していることがバレたと焦ったこの男は、銃口を自分の口に入れて発砲し、自殺したというわけですな？」
　樫塚は目暮警部の確認に頷く。
「しかし、あの男は何の目的であなたをトイレに？」
「ずっと質問攻めにあっていました。この鍵はどこのロッカーだ！？　言わないと殺すぞ！！　って…。」
　樫塚が目に浮かんだ涙を拭うと、トイレから高木刑事が戻ってきた。
「目暮警部！！」
「…ん？」
「鑑識の調べでは、樫塚さんの体や衣服からは、ほとんど発射残差は出なかったようです。」
「つまり、あの男は自殺。樫塚さんの証言は事実だという事か。」
「はい、恐らく…。」
　花音は目暮警部と高木刑事の話を聞き、思考を深めた。
「よーし！　まずはそのコインロッカーの所在を割り出し、自殺した男の目的を突き止めろ！」
「はい！」
　そしてコナンもまた、樫塚を鋭く観察した。