公安の仕事の間に少し時間が空いた俺は彼女と一緒にいた男のことを調べる事にした。
“先生”と彼女が呼んでいた事を考えると、恐らく医者か教師、それか家庭教師か。
高校にはあんな人物はいなかったはずだから中学かと思った俺は帝丹中学のHPにアクセスすると三年前の学校だよりにあの男の写真が載っていた。
　城内　祐一　二十六歳　理科教諭
三年前に二十六歳という事は俺と同い年か。
写真を拡大すると少し気になるところがあった。
左手でピースをしている写真だったが、薬指に俺は注目した。
それは指環の跡だった。
さっきは少し距離があって見えなかったが写真は正直だ。
だが、離婚という線もある。
今度はFacebookで城内　祐一と検索を掛けると見事と言うべきかヒットした。
六年前に結婚となっているが離婚の文字はない。
定期的に記事を更新している事から恐らく別れてはいないのだろう。
　公安の仕事は元々、トリプルフェイスになってから少なくなっている上に部下がやってくれたりもしていて、ほとんど目を通して判を押すだけになっていた。
「風見、報告書助かったよ。お礼に何か奢るよ。食べたいものはあるか。」
「え、そ、そんな降谷さんに奢っていただくなんて。」
「普段から無理を言ってるし、今日のもあるから足りないくらいだ。ほら、行くぞ。」
「は、はい！」