彼女との出会い。
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彼女の存在を知ったのは、俺がポアロで働きだしてから間もない頃だった。
ある日蘭さんとコナン君と一緒に彼女がポアロに来店したあの日は、きっとこれからも忘れることはないだろう。
「ねえ花音、今日の生物の授業分かった?
花音て生物得意だったよね?」
「あぁ、血液型のやつ?中学の時に授業でやって面白くて本とか読んでたくらいだから分かったよ。」
彼女は蘭さんよりも少し長い黒いストレートの髪でカウンターで安室 透として働いていた俺は彼女の後ろ姿しか見ることができなかった。
「え~、花音教えてくれない?私全然分からなくて。お礼に何か奢るし!」
「じゃあお言葉に甘えて何か奢ってもらうね。
いくらでも教えてあげるよ。」
「わぁ!ありがとう!すみません安室さん、
注文お願いします。」
蘭さんに呼ばれテーブル席に行くと女子高生とは思えない程に凛と済ましている彼女に思わず息を呑んだ。
「花音、好きなの頼んでね、昨日お母さんからお小遣い貰ったから!コナン君もお夕飯食べれるなら頼んでもいいよ!」
「じゃあ僕オレンジジュース。」
「う~ん、私はホットとチョコレートケーキで。・・・て、新人さんですか?」
キョトンとした彼女が首を傾げた。
「はい、先週からこちらでアルバイトをしている安室 透です。私立探偵もしていて、今は蘭さんのお父様の毛利先生の助手をしています。えっと、花音さん、でよろしいでしょうか?」
いつも通り、“安室 透スマイル”で自己紹介をした。
「はい、蘭の幼馴染で、ポアロには良く来るんです。おじさんの助手・・・ですか。」
「えぇ。」
「じゃあ何か私について推理してみてくれませんか?」
急なことに少し面食らったが、花音さんを観察した。
「そうですねぇ、推理というほどではありませんが、花音さんは読書がお好きなんでしょうか、カバンが本の形で少し歪んでいます。
あと、先程“ホット”と仰っていたところを見ると関西にいた経験がおありで?」
俺がそう言うと彼女はパッと花が咲いたように笑った。
「正解です!中二の時一年間だけ大阪にいたんです。もちろん読書も大正解です!」
「花音てすごいんですよ!彼女自身帰宅部なんですけど、色んな運動部が助っ人頼むくらいなんです。今回はバドミントン部みたいで。
」
すると様子を見ていたコナン君が口を開いた。
「確か前は空手部の助っ人だったよね?蘭姉ちゃんから空手着借りてたし。」
「そうよ、だから今も勉強教えてもらってるしそのお礼も兼ねてるのよ。」
運動も出来て頭も良い美人だなんてあんまりいないなと思いながら聞いていた。
「才色兼備なんですねえ。おっと、オレンジジュースとホットコーヒーとチョコレートケーキですね!今すぐお持ちしますね。」
サイフォンでコーヒーを淹れながらケーキを皿に載せた後オレンジジュースをグラスに注いだ。砂糖とミルクを別でトレーに載せコーヒーも出来上がりトレーに載せた。
「お待たせしました。オレンジジュースと、ホットコーヒーとチョコレートケーキです。」
コナン君にオレンジジュース、花音さんにコーヒーとチョコレートケーキをそれぞれの前に置くと、花音さんは目を輝かせた。
「わぁ~、美味しそう!」
「このケーキ僕が作ったんですよ。」
「えぇ!凄いですね!早速いただきますね!
ん~!美味しい!どうしたらこんなに美味しいケーキが作れるんですか?」
そう聞いてくる彼女の表情は可愛らしくて、年相応だった。
「花音てば。まあ、花音甘い物好きだもんね、最近なんて糖分不足で倒れそうになるし・・・」
蘭さんの言葉に思わずギョッとした。糖分不足で脳が働かないとは言うが、倒れそうになる?俺は医者では無いが大丈夫か彼女は。その考えはコナン君も同じだったらしい。
「えぇ?糖分不足でって・・・。花音姉ちゃん大丈夫なのそれ。病院行った?」
「大丈夫、糖分が不足すると脳みそ働かなくなるでしょ?私のはその更に足りてないだけだからね!」
「倒れかけたとき、剣道部の部長が受け止めてくれたのよね?それでココア貰って、それ飲んで復活してたけど。」
蘭さんが言っているのを聞きながら彼女は笑っていた。
「あの時は丁度剣道部の助っ人だったし、奴とは腐れ縁だからね。」
「少し無理し過ぎじゃありませんか?そんなに沢山助っ人なんて・・・。」
一体どれだけ無理をしたらそんな風になるんだろうか。
「無理してるつもりはないんですけどね、それこそ無理そうな部活は断ってますし!」
「あ、この前柔道部断ってたね。」
「あぁ、そんなこともあったね。あれは申し訳ないけど無理だわ、なんて言ったってゴツすぎて怖い。やってやれないことはないけど、
バスケの方が楽しいよね~。」
「え、バスケ部の助っ人はOKしたんですか?」
若干引きながら聞いた。
「先生に泣きつかれちゃって・・・。でも代わりに部活終わるたびにジュースと、私の欲しかった本の新刊と、スウィーツ買ってもらいましたから!」
そう言って彼女はカバンからゴソゴソとクリアのブックカバーの掛かった本を出した。
「警察小説・・・ですか?」
「はい!私本の中でも特に推理ものが好きで、特に理系ミステリーとか、警察ものが好きなんです。」
彼女が手にしている本は公安がメインとなっていて、俺が所属する“ゼロ”も何度か出てきたはずだ。
「・・・公安警察に興味が?」
「はい、将来は警察官になりたいんです。警察の中でも公安警察に入りたくて。この本の中に“ゼロ”、公安の中でも筆頭課と言われている組織があるんですけど、いずれはって思ってるんです。なので、大学は東都大学の法学部に入って、一種の公務員試験を受けようと思ってるんです。まぁ、高すぎる夢だって事は自分が一番分かってるんですけど。だからぶっちゃけ法学部がだめだったら理学部入って鑑識でもありかなって思ってるんですけどね。」
照れくさそうに笑う彼女に何かがドキッとした。公安、ゼロは楽しい仕事なんかじゃないし、お世辞にもきれいな仕事とも言えない。俺のように複数の人物を演じたり、名乗るのも偽名だったりと普通の警察組織とは全くと言って良い程異なっている。自分の仕事に誇りは持っているが心の中ではどこか後ろ暗さがあった。しかし、彼女の話を聴いて、これから目指す人もいる事に少し心が晴れた気がした。
「目標さえあれば、努力次第できっと叶いますよ。頑張って下さい、僕でよければ力になりますし」
「ありがとうございます!」
ある日蘭さんとコナン君と一緒に彼女がポアロに来店したあの日は、きっとこれからも忘れることはないだろう。
「ねえ花音、今日の生物の授業分かった?
花音て生物得意だったよね?」
「あぁ、血液型のやつ?中学の時に授業でやって面白くて本とか読んでたくらいだから分かったよ。」
彼女は蘭さんよりも少し長い黒いストレートの髪でカウンターで安室 透として働いていた俺は彼女の後ろ姿しか見ることができなかった。
「え~、花音教えてくれない?私全然分からなくて。お礼に何か奢るし!」
「じゃあお言葉に甘えて何か奢ってもらうね。
いくらでも教えてあげるよ。」
「わぁ!ありがとう!すみません安室さん、
注文お願いします。」
蘭さんに呼ばれテーブル席に行くと女子高生とは思えない程に凛と済ましている彼女に思わず息を呑んだ。
「花音、好きなの頼んでね、昨日お母さんからお小遣い貰ったから!コナン君もお夕飯食べれるなら頼んでもいいよ!」
「じゃあ僕オレンジジュース。」
「う~ん、私はホットとチョコレートケーキで。・・・て、新人さんですか?」
キョトンとした彼女が首を傾げた。
「はい、先週からこちらでアルバイトをしている安室 透です。私立探偵もしていて、今は蘭さんのお父様の毛利先生の助手をしています。えっと、花音さん、でよろしいでしょうか?」
いつも通り、“安室 透スマイル”で自己紹介をした。
「はい、蘭の幼馴染で、ポアロには良く来るんです。おじさんの助手・・・ですか。」
「えぇ。」
「じゃあ何か私について推理してみてくれませんか?」
急なことに少し面食らったが、花音さんを観察した。
「そうですねぇ、推理というほどではありませんが、花音さんは読書がお好きなんでしょうか、カバンが本の形で少し歪んでいます。
あと、先程“ホット”と仰っていたところを見ると関西にいた経験がおありで?」
俺がそう言うと彼女はパッと花が咲いたように笑った。
「正解です!中二の時一年間だけ大阪にいたんです。もちろん読書も大正解です!」
「花音てすごいんですよ!彼女自身帰宅部なんですけど、色んな運動部が助っ人頼むくらいなんです。今回はバドミントン部みたいで。
」
すると様子を見ていたコナン君が口を開いた。
「確か前は空手部の助っ人だったよね?蘭姉ちゃんから空手着借りてたし。」
「そうよ、だから今も勉強教えてもらってるしそのお礼も兼ねてるのよ。」
運動も出来て頭も良い美人だなんてあんまりいないなと思いながら聞いていた。
「才色兼備なんですねえ。おっと、オレンジジュースとホットコーヒーとチョコレートケーキですね!今すぐお持ちしますね。」
サイフォンでコーヒーを淹れながらケーキを皿に載せた後オレンジジュースをグラスに注いだ。砂糖とミルクを別でトレーに載せコーヒーも出来上がりトレーに載せた。
「お待たせしました。オレンジジュースと、ホットコーヒーとチョコレートケーキです。」
コナン君にオレンジジュース、花音さんにコーヒーとチョコレートケーキをそれぞれの前に置くと、花音さんは目を輝かせた。
「わぁ~、美味しそう!」
「このケーキ僕が作ったんですよ。」
「えぇ!凄いですね!早速いただきますね!
ん~!美味しい!どうしたらこんなに美味しいケーキが作れるんですか?」
そう聞いてくる彼女の表情は可愛らしくて、年相応だった。
「花音てば。まあ、花音甘い物好きだもんね、最近なんて糖分不足で倒れそうになるし・・・」
蘭さんの言葉に思わずギョッとした。糖分不足で脳が働かないとは言うが、倒れそうになる?俺は医者では無いが大丈夫か彼女は。その考えはコナン君も同じだったらしい。
「えぇ?糖分不足でって・・・。花音姉ちゃん大丈夫なのそれ。病院行った?」
「大丈夫、糖分が不足すると脳みそ働かなくなるでしょ?私のはその更に足りてないだけだからね!」
「倒れかけたとき、剣道部の部長が受け止めてくれたのよね?それでココア貰って、それ飲んで復活してたけど。」
蘭さんが言っているのを聞きながら彼女は笑っていた。
「あの時は丁度剣道部の助っ人だったし、奴とは腐れ縁だからね。」
「少し無理し過ぎじゃありませんか?そんなに沢山助っ人なんて・・・。」
一体どれだけ無理をしたらそんな風になるんだろうか。
「無理してるつもりはないんですけどね、それこそ無理そうな部活は断ってますし!」
「あ、この前柔道部断ってたね。」
「あぁ、そんなこともあったね。あれは申し訳ないけど無理だわ、なんて言ったってゴツすぎて怖い。やってやれないことはないけど、
バスケの方が楽しいよね~。」
「え、バスケ部の助っ人はOKしたんですか?」
若干引きながら聞いた。
「先生に泣きつかれちゃって・・・。でも代わりに部活終わるたびにジュースと、私の欲しかった本の新刊と、スウィーツ買ってもらいましたから!」
そう言って彼女はカバンからゴソゴソとクリアのブックカバーの掛かった本を出した。
「警察小説・・・ですか?」
「はい!私本の中でも特に推理ものが好きで、特に理系ミステリーとか、警察ものが好きなんです。」
彼女が手にしている本は公安がメインとなっていて、俺が所属する“ゼロ”も何度か出てきたはずだ。
「・・・公安警察に興味が?」
「はい、将来は警察官になりたいんです。警察の中でも公安警察に入りたくて。この本の中に“ゼロ”、公安の中でも筆頭課と言われている組織があるんですけど、いずれはって思ってるんです。なので、大学は東都大学の法学部に入って、一種の公務員試験を受けようと思ってるんです。まぁ、高すぎる夢だって事は自分が一番分かってるんですけど。だからぶっちゃけ法学部がだめだったら理学部入って鑑識でもありかなって思ってるんですけどね。」
照れくさそうに笑う彼女に何かがドキッとした。公安、ゼロは楽しい仕事なんかじゃないし、お世辞にもきれいな仕事とも言えない。俺のように複数の人物を演じたり、名乗るのも偽名だったりと普通の警察組織とは全くと言って良い程異なっている。自分の仕事に誇りは持っているが心の中ではどこか後ろ暗さがあった。しかし、彼女の話を聴いて、これから目指す人もいる事に少し心が晴れた気がした。
「目標さえあれば、努力次第できっと叶いますよ。頑張って下さい、僕でよければ力になりますし」
「ありがとうございます!」
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