｢さぁ、こっちへ来い。｣


男がそう言うとシロは男の隣についた。



｢どうなってるの！？」



｢お前らに愛想つかしたのさ。｣



｢そんな…シロ！戻ってきて！」



《ガルルルルッ。》



｢シロ……。｣




｢さて、まずはそこに倒れてる女から始末してもらおうか。｣


シロはアヤカに目を向けた。



ﾅ｢チョッパー！サンジ君！アヤカを連れて逃げて！」



ﾁｮ｢わ、わかった！」



ｻ｢アヤカちゃん。」


サンジはアヤカを抱えると走り出した。



ﾁｮ｢一度船に戻ろう！そこなら傷の手当てもできる。｣


ｻ｢わかった！」



『ん……シ…ロ…。』



ｻ｢アヤカちゃん！」



ﾁｮ｢アヤカ！しっかりしろ！」





ん……。
誰かの声が聞こえる……。



目を覚ますとそこは真っ暗な世界だった。



『同じだ……。前と同じ…。』



《助けて…。》



『誰っ！？』



《助けて…。》



辺りを見まわすと白い光が見えた。
アヤカはその場所へ走った。




《助けて…。》



｢あなたなの…？ずっと私に助けを求めてるのは…。｣


《お願い…。助けて…。もう僕は誰も殺したくないんだ…。》



『誰かを殺したの…？』



《とても大切な人…。》



『なぜ…？』



《命令に逆らえないんだ…。だから次に命令されてしまったらきっと僕はキミを殺してしまう………。》



『私を…？まさか…あなた…。』



すると光はだんだん離れていく。




『待って！おいていかないで！どうすれば助けられるのっ！？お願い待って！』



光はふわりとアヤカの目の前から消えた。




ｻ｢…ちゃんしっかり！アヤカちゃん！」




『ん……サン…ジ…君…？』



ｻ｢よかった気がついた！」



『ここは…？』



ﾁｮ｢船の医務室だ。｣



『シロとみんなはっ！？』



ｻ｢まだアイツと…。｣



『…ダメ！戻らなきゃ！』



ﾁｮ｢無茶だ！」



ｻ｢そんな体で戦ったら…。」


サンジの言葉を遮るようにアヤカが言った。



『死んだっていいっ！もう…誰かが死ぬのは見たくないっ…。』



そう言って涙を流した。



ﾁｮ｢アヤカ…。｣



ｻ｢俺だって嫌さ…。俺だってアヤカちゃんが大切だ。｣



『サンジ君…。』



ｻ｢だからここに残っていてくれ。｣



『…………いや…。…嫌っ！』


ﾁｮ｢アヤカ！」



アヤカは医務室を飛び出した。



慌てて追いかけると甲板に崩れるアヤカちゃんの姿があった。



ｻ｢まともに動けない体で戦うなんて無理だ！」



『…はぁっ…はぁっ……。』


ﾁｮ｢大丈夫だ。あっちにはルフィだっているしきっと勝てる。」



『無理よ！あっちにはシロがいるのよ…。あの子にやられたら人間なんて一瞬で………。』


一瞬…？
そうよ
ならどうしてあの時私を殺さなかったのかしら…？

シロが手加減したってこと……？

まさか………。



ﾁｮ｢アヤカ？｣



ｻ｢どうした？｣



『私を連れていって……。』


ﾁｮ｢そんなこと…。｣



『いいから早くっ！』



ﾁｮ｢でも…。｣



ｻ｢わかった。｣



ﾁｮ｢サンジ！？」



ｻ｢何かあるんだろ？｣



『うん。』



ｻ｢無茶はするなよ。｣



『うん…。』



ｻ｢行くぞチョッパー！」



ﾁｮ｢わ、わかった！」