☆相棒は白い獣
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その日の夜。
アヤカは縁側に座り月を見ていた。
「昔からここで月見るの好きだったよね。」
『サヤカ。まだ起きてたの?』
「ねぇ、アヤカ。」
『ん?』
「シロ…継ぐの…?」
『うん。私はそのために帰ってきたんだもん。もう母さんに無理はさせられないし。』
「ごめんね…。私、弱くて…。」
『何言ってんの。サヤカは強くなったよ。』
「でも…私…アヤカの視力まで奪って…。」
アヤカはサヤカの唇にそっと人差し指をあてた。
『その話はもうしない約束でしょ?あれは私が自分で決めたことなんだからいいの。』
そう言って優しく微笑んだ。
「アヤカ…。」
『ほら、そろそろ寝なさい。体によくないよ。』
「うん、おやすみ…。」
『おやすみ。』
サ「アヤカちゃん。」
『サンジ君…。どうしたの?』
サ「いや…その…。盗み聞きするつもりはなかったんだけど…気になっちまって。サヤカちゃんが視力を…って話…ほんとなのか…?」
『……うん…。』
サ「なんでそんなことに…。」
『…私達、退魔師の世界では双子を産んではいけないの…。』
サ「どうして。」
『双子は母親の体内で力を求めて肉体を喰らいあうから…。それでも母さんは私達を産むことを選んだの…。』
サ「……。」
『幸い私達は喰らいあうことなく生まれた…。でも退魔師としての霊力は全て私に……。力のないサヤカの体はとても弱くてほとんどをベッドの上で過ごしていたの。私はそんなサヤカを見ているのが辛かった…。私のせいで…私が力を奪ってしまったせいで……。一緒に遊んだり…恋をしたり…普通の姉妹になりたかった……。』
サ「アヤカちゃん……。」
『だから私は退魔師として禁断の行為をした。』
サ「禁断の行為って…。」
『退魔師の世界では霊力を他人にあげることは禁止されているの。あげた者の体に必ず災いが起こるから…。私はそれを知っていてサヤカに力の一部をあげた。その結果、完全に視力を失ったの…。』
サ「そうだったのか……。」
『どんなことをしてでも、自分を犠牲にしてでも助けたかった…。あの子に普通に過ごしてもらいたかった…。でも当時の私の霊力ではあげられるのはほんのわずか…。わずかな霊力ではキツネも扱うこともできず退魔師として余計苦しめる結果になった…。だから私は決めたの。どんなことがあっても私があの子を守る。例え自分が死んでも………。』
サ「アヤカちゃん……死ぬって…。」
『……なんて、今のは冗談よ。じゃ、私はそろそろ寝るから。』
サ「おやすみ。」
『おやすみ…。』
アヤカは自分の部屋へ戻るとキツネ達が丸くなって眠るベッドにそっと座った。
『冗談…か…。』
冗談じゃ済まないかもしれない。
我が家に代々伝わる霊獣《白狐》
私が小さかった頃はあんなに仲がよくて…シロって呼んでいつも一緒の時間を過ごしていたのに最近人を襲うようになった……。
もし私がシロに喰い殺される日が来たなら自分の全ての霊力を使って私ごとシロを地獄へ落とす…。
あの子にシロを継がせるわけにはいかない…。
退魔師は長生きの難しい家系。
あの子にはもっと長く生きて普通の女の子として生きていってほしい………。
アヤカは拳をギュッと握って覚悟を決めた。
アヤカは縁側に座り月を見ていた。
「昔からここで月見るの好きだったよね。」
『サヤカ。まだ起きてたの?』
「ねぇ、アヤカ。」
『ん?』
「シロ…継ぐの…?」
『うん。私はそのために帰ってきたんだもん。もう母さんに無理はさせられないし。』
「ごめんね…。私、弱くて…。」
『何言ってんの。サヤカは強くなったよ。』
「でも…私…アヤカの視力まで奪って…。」
アヤカはサヤカの唇にそっと人差し指をあてた。
『その話はもうしない約束でしょ?あれは私が自分で決めたことなんだからいいの。』
そう言って優しく微笑んだ。
「アヤカ…。」
『ほら、そろそろ寝なさい。体によくないよ。』
「うん、おやすみ…。」
『おやすみ。』
サ「アヤカちゃん。」
『サンジ君…。どうしたの?』
サ「いや…その…。盗み聞きするつもりはなかったんだけど…気になっちまって。サヤカちゃんが視力を…って話…ほんとなのか…?」
『……うん…。』
サ「なんでそんなことに…。」
『…私達、退魔師の世界では双子を産んではいけないの…。』
サ「どうして。」
『双子は母親の体内で力を求めて肉体を喰らいあうから…。それでも母さんは私達を産むことを選んだの…。』
サ「……。」
『幸い私達は喰らいあうことなく生まれた…。でも退魔師としての霊力は全て私に……。力のないサヤカの体はとても弱くてほとんどをベッドの上で過ごしていたの。私はそんなサヤカを見ているのが辛かった…。私のせいで…私が力を奪ってしまったせいで……。一緒に遊んだり…恋をしたり…普通の姉妹になりたかった……。』
サ「アヤカちゃん……。」
『だから私は退魔師として禁断の行為をした。』
サ「禁断の行為って…。」
『退魔師の世界では霊力を他人にあげることは禁止されているの。あげた者の体に必ず災いが起こるから…。私はそれを知っていてサヤカに力の一部をあげた。その結果、完全に視力を失ったの…。』
サ「そうだったのか……。」
『どんなことをしてでも、自分を犠牲にしてでも助けたかった…。あの子に普通に過ごしてもらいたかった…。でも当時の私の霊力ではあげられるのはほんのわずか…。わずかな霊力ではキツネも扱うこともできず退魔師として余計苦しめる結果になった…。だから私は決めたの。どんなことがあっても私があの子を守る。例え自分が死んでも………。』
サ「アヤカちゃん……死ぬって…。」
『……なんて、今のは冗談よ。じゃ、私はそろそろ寝るから。』
サ「おやすみ。」
『おやすみ…。』
アヤカは自分の部屋へ戻るとキツネ達が丸くなって眠るベッドにそっと座った。
『冗談…か…。』
冗談じゃ済まないかもしれない。
我が家に代々伝わる霊獣《白狐》
私が小さかった頃はあんなに仲がよくて…シロって呼んでいつも一緒の時間を過ごしていたのに最近人を襲うようになった……。
もし私がシロに喰い殺される日が来たなら自分の全ての霊力を使って私ごとシロを地獄へ落とす…。
あの子にシロを継がせるわけにはいかない…。
退魔師は長生きの難しい家系。
あの子にはもっと長く生きて普通の女の子として生きていってほしい………。
アヤカは拳をギュッと握って覚悟を決めた。