ひどいよサンジ君……。

サンジ君のバカ…。

気づいてよ……。



甲板の手すりに肘をついて落ち込むアヤカの肩にそっと手が触れた。



ﾅ｢昨日、部屋に帰って来なかったでしょ。｣



『ナミ……。』



ﾅ｢そんな顔してなんかあったの？｣



『……ううん。なんでもないの…。』



そうだ…。

落ち込んだってしょうがない……。

これでよかったんだ……。



『ナミ…。あとでみんなに話があるからラウンジに集めてもらっていい？』



ﾅ｢えぇ。｣



『ありがと……。』









数時間後。

ナミによってラウンジに集められたクルー逹。



ｳ｢で、話ってなんだ？｣



『あのね…私、船を降りたいの…。』



ﾅ｢船を降りる！？」


ｳ｢いきなり何言ってんだよ。｣


『ごめんね…。もうすぐ着く私の故郷でやることがあるの…。』



ﾁｮ｢どうしても降りなきゃダメなのか…？」



『うん…。』



ﾅ｢そんな急に…。｣



『ほんとはもっと前から私の中で決まってたんだけどなかなか言い出せなくて…。』



ﾙ｢それはお前が自分で決めたことか？｣


しばらく黙っていたルフィが低い声でアヤカに問いかけた。



『え……？それは……。』



ﾙ｢俺はお前が自分で決めたことならいいと思ってる。｣



ﾅ｢ルフィ……。｣



ｿﾞ｢俺も同感だ。｣



ﾌﾞ｢アヤカさんにはアヤカさんの人生がありますしね…。｣



ﾌ｢そうだな。｣



ﾁｮ､ｳ｢そうだな…。｣



ﾛ｢コックさんはどうなのかしら？｣



ｻ｢俺は……みんなと同じだ…。｣



『………ありがと…。』



アヤカはそれだけ言うとそっとラウンジを出ていった。



ﾅ｢ねぇ！サンジ君はほんとにこれでよかったのっ！？」



ｻ｢………。｣



ﾅ｢なんとか言ってよ！このままじゃアヤカは船を降りちゃうのよ！？」



ｳ｢おぃ、ナミやめとけって。｣



ﾅ｢……もう知らない！」



そう言い捨てるとナミはラウンジを飛びたしていった。



ﾁｮ｢ナミはアヤカのこと妹みたいに可愛がってたからな…。｣


ｳ｢気にすんなよサンジ。ナミも辛いんだろう…。｣



ｻ｢あぁ……。｣