ベッドに寝かせたアヤカちゃんの頭を撫でていると数分もしないうちに可愛く寝息をたて始めた。



ｻ｢よっぽど疲れてたんだな。ゆっくりおやすみ。｣




俺は女部屋を静かに出て甲板へ行った。



ﾅ｢アヤカは？｣



ｻ｢よっぽど疲れてたみたいですぐ寝ちゃいました。｣



ﾅ｢ずっと気を張ってたみたいだし無理もないわね。｣





しばらくして甲板で寝ていた数匹のキツネ逹が慌ただしく動き始めた。



ﾅ｢どうしたのかしら？｣



ﾙ｢なんだなんだぁ？｣



キツネ逹は一斉に甲板から女部屋へ向かっていった。


ｻ｢どうしたんだ？｣



キツネ逹が気になりクルー逹が部屋へ行くとキツネ逹はドアをすり抜けてアヤカのベッドに集まっていた。



ﾁｮ｢アヤカ？」



『んっ…嫌……ぅ………やめてっ………いやっ…いやぁぁぁっ！！！」



ﾅ｢アヤカ！」



『…はぁ…はぁ…はぁ…ナ…ミ…？』



ｻ｢大丈夫か…？｣



ﾅ｢酷くうなされてたわよ…。｣


『ごめん……。ちょっと昔の夢見ただけだから大丈夫。』


ﾅ｢大丈夫ならいいけど…。｣


『みんなも心配してきてくれたんだ。ありがと。』



そう言ってきつね逹の頭を撫でた。



『心配かけてごめんね。』



ﾁｮ｢アヤカが大丈夫ならそれでいいんだ。｣



『ありがと。』



クルー逹は再び甲板へ戻っていった。
























いつの間にか寝てしまった私は夢を見た。

それはときどき見る夢。


私の過去の記憶………。





大きな霊獣を従えた一人の男性。


彼は私の父。

隣にいるのは我が家に代々伝わる最強の霊獣。



私はいつも霊獣を従えて戦う父の背中を見ていた。


幼かった私にはまだ霊獣は扱えなかったけどいつか父のようになるのが夢だった…。

けど父は私の目の前で従えていたはずの霊獣に喰われて死んだ……。




『嫌っ！お父さん！』



｢アヤカっ！近づいてはダメ！」



『お母さん放してっ！お父さんがっ！』


｢ダメよ！」



『いや…お父さん…いやぁぁぁっ！！！』







目を覚ますとみんなとキツネ逹が心配そうにこちらを見ていた。



大丈夫と告げるとクルー逹は再び甲板へ戻っていった。




『またあの夢見ちゃった……。』






その日の夜。


なかなか寝付けずにいた私は甲板で星を眺めていた。



ｻ｢寝れないのかい？｣



『サンジ君。…ちょっとね。』



ｻ｢夢のこと？｣



『うん…。私ね…小さい時にお父さんを亡くしたの。自分の目の前で……。』


ｻ｢そうだったのか…。｣



『その時のこと今でも夢で見るんだ……。』



ｻ｢そうか……。｣



『血まみれの地面…。引き裂かれる体……。全部覚えてる……。』



そう話すアヤカちゃんの体は震えていた。


俺はアヤカちゃんの肩をそっと抱き寄せた。