☆夢と願い
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そんなある日。
ドーンという大きな音と共に船が大きく揺れた。
その衝撃でグレースがうっすらと目を開けた。
『はぁ…はぁ…。』
苦しい…。
もう動けそうにないな…。
外の音はきっと戦闘かな…。
助けにも行けないや…。
なんて…そもそも私は戦えないか…。
みんな大丈夫かな…?
ケガ…してないかな……?
グレースがゆっくりと首を動かして医務室を見渡す。
ベットサイドのテーブルには大切そうにルフィの麦わら帽子がまだ置かれていた。
『ル…フィ…。』
私、ルフィにちゃんと帽子返しにいけそうにないな……。
ごめんね…。
ルフィ…。
私…もう………。
《バンッ!》
大きな音を立てて開けられた扉にグレースが視線をやると
ケガをしたであろうサンジを担いだゾロが入ってきた。
ゾ「チョッパーは手が離せねぇか…!ちょっと待ってろ。死ぬなよ眉毛!」
ゾロはサンジを壁に寄り掛からせると急いで外へと出ていった。
『…!』
その体勢じゃダメ。
出血が多くなっちゃう。
『…んっ!』
グレースは力を振り絞るようにして起き上がる。
《ドサッ》
立つこともままならずベットから落ちるも
グレースは必死にビニールのカーテンを掴んだ。
『はぁっ…はぁっ…!…邪魔…っ!…!』
グレースは隙間なくしっかりと止められたカーテンの繋ぎ目をなんとか剥がすと這うようにしてサンジに近づきすぐにサンジを横にして診察を始める。
『っ!…。』
腹部出血。
弾は貫通してる。
とにかく止血しないと…!
グレースは必死に自分のカバンに手を伸ばすとなんとか引き寄せた。
止血剤!
ガーゼ!
あとは圧迫止血を…!
『んっ!』
ダメだ…。
力が入らない…。
これじゃあ止血できない…!
『おね…がい…止まっ…て…。』
グレースは必死にサンジの腹部に力を込める。
『はぁ…っ…はぁっ…!』
まずい…。
サンジ君の意識もないし
それなりに出血した状態でここに来たとしたら
これ以上の出血は…!
『……!』
ガーゼも足りない!
『んっ!』
《ビリビリ》
グレースは着ていた自分の服を破ると血まみれになったガーゼを投げ捨てて代わりにそれを傷口に押し当てた。
『はぁ…っ……んっ…。』
ダメだ…。
視界が……。
このままだと私の意識が……。
お願い…持って…。
この人を助けられなかったら私………。
『んんっ!』
グレースは血が滲むほどに自分の唇を噛みしめた。
『はぁ……はぁ……!…止まっ……た………うぅっ!ゲホッ!ゲホッ!はぁっ…はぁっ…。』
あぁ…。
とうとう吐血までいったか…。
私もそれなりの重症だ……。
けど…サンジ君を助けられたなら…それでいいや……。
《ドサッ…。》
それからしばらくして戦闘の一部を片づけたゾロがチョッパーを連れて戻ってきた。
ゾ「チョッパー連れてき…!?お前なにやってる!」
医務室に飛び込んだゾロの視界に入ってきたのは
ボロボロの格好で血まみれのグレースが横たわる姿だった。
チョ「サンジ!…グレース!?」
チョッパーは床に転がった血まみれのガーゼとグレースの服であろう残骸を見てすぐに状況を察した。
チョ「グレースが止血したんだ…。命懸けで…っ!今そこを出ることがどれだけ危険か…わかってるはずなのにっ…!」
チョッパーはボロボロと涙を流すとサンジをもう一つのベットに寝かせた。
チョ「ゾロ。グレースを頼む。」
ゾ「いいのか。」
チョ「もうそのカーテンは意味がない。グレースは自分で無菌状態の場所から出たんだ。サンジを助けるために。こうなったら誰がグレースに触れてももう同じだ…。」
ゾロはチョッパーの悔しそうな言葉を聞いてグレースを抱き上げるとベットに戻した。
チョ「グレース!よくもこんな…!こんな自殺行為をしてくれたな…!俺は怒ってるからな!このままなんて許さないゾっ…!…ありがとな…っ…。絶対にサンジを助けるからそこで待ってろ!」
チョッパーはサンジの処置をしながら大きな声でグレースにそう叫ぶとボロボロと流れ出る涙を拭った。
チョ「ゾロ。戦闘はまだ終わってない。俺は手が離せないからここを守ってくれ!グレースとサンジの命がかかってる!命懸けでグレースが助けようとしたんだ!俺がそのバトンを受け取って何としてでも助けるからここに誰も近づけさせるな!」
ゾ「任せろ。」
ゾロは力強くそう言うと医務室の外へ出ていった。
チョ「やっぱり内臓の損傷が激しい…。腹腔内での出血も…。オペになるけど一つずつ縫合すれば…!大丈夫。落ち着け。必ず2人とも助けられる。諦めてたまるもんか!」
そういうチョッパーの後ろでグレースが少し目を開けた。
視界にはルフィの麦わら帽子が映った。
あれ…?
帽子の上に何か乗ってる…。
あ。みんなだ。
小さいみんなが乗ってる。
可愛いな。
みんなこうやって大きな存在のルフィについてきたんだな。
私もその仲間に入れてもらえて幸せだったな。
最後にこんなことしてチョッパーきっとすごく怒ってるだろうな。
けど私ね、最後まで医者でいたかったの。
それと大切な人を守れる強い人でいたかった。
こんな姿になった私にいつもみんなが笑顔で隣にいてくれたように。
神様。
残り少ないかもしれないけど私の中に残ってるものは全部あげます。
だからサンジ君を助けて…。
あとはお願い…
『スーパー……ド…ク…ター………。』
チョ「グレース!?…グレース!」
チョッパーはかすかに聞こえたグレースの声に振り返るとすぐにグレースの異変に気づいた。
チョ「呼吸してない…!グレース!グレース!」
チョッパーはすぐに心臓マッサージを始める。
チョ「グレース!起きろ!グレース!」
まずい。
このままじゃサンジの命も危ない。
けど今ここを離れたらグレースは…。
俺にはどちらかの命なんて選べないっ…!
チョ「グレース!お願いだ!このままじゃサンジの命が危ないんだ!サンジのオペを続けさせてくれ!頼む!グレース!生きろ!サンジを助けたいなら生きろっ!」
『ゲッホ!ゲホッ!』
チョ「グレース!」
グレースが大量の吐血をし、シーツが真っ赤に染まった。
チョ「吐血したものが詰まって窒息状態だったんだ。」
チョッパーはすぐにグレースの手を取った。
チョ「グレース!わかるか?聞こえてたら左手を握れ!」
チョッパーの声にゆっくりと手が握られた。
チョ「よし!意識はあるな!俺はまだサンジを助けなくちゃならない。もう少し頑張れるか?」
チョッパーの問いにグレースが強く強く手を握り返した。
チョ「よし!!待ってろ!すぐ終わらせてグレースの処置するからな!説教はそれからだ!」
『はぁ…はぁ……。』
あはは…。
お説教付きか~…。
参ったな~…。
グレースの少し困ったような表情を見るとチョッパーはすぐにサンジのオペに戻った。
それから数時間が経った。
戦闘はとうの昔に終わったようでクルー達は心配そうに医務室の前で待っていた。
《ガチャ》
ル「チョッパー!サンジとグレースは!?」
チョ「サンジは命に別状はないよ。グレースのおかげだ。」
ナ「サンジ君はって…グレースは……?」
チョ「……できることは全部やった…。けど……。」
チョッパーはそう言うと医務室のドアを開けてクルー達を招き入れた。
そこには酸素マスクをつけられ弱々しく呼吸するグレースの姿があった。
チョ「内臓からの出血があったんだ。それで吐血した。その血液が詰まって窒息状態になって心臓と呼吸が一度止まってる。」
サ「嘘…だろ…。」
チョ「サンジ。気がついたか。」
サ「なぁ!何で…!何でこんな…!」
チョ「サンジを助けるためだ。グレースは自分で無菌室から出てサンジの止血をしてくれたんだ。今の状態のグレースにはかなりの無茶だ。グレースもわかってたと思う。それでも…自分を犠牲にしてでもサンジを助けたかったんだ…っ…。」
サ「………。」
サンジはベットの上で呆然とグレースを見つめた。
サ「あと…どれくらい…一緒にいられるんだ…。」
チョ「持って3日。早くて今日…だろう…。」
ナ「そんな…っ!」
サ「俺が…!俺がヘマしなければっ!クソッ…!」
ドーンという大きな音と共に船が大きく揺れた。
その衝撃でグレースがうっすらと目を開けた。
『はぁ…はぁ…。』
苦しい…。
もう動けそうにないな…。
外の音はきっと戦闘かな…。
助けにも行けないや…。
なんて…そもそも私は戦えないか…。
みんな大丈夫かな…?
ケガ…してないかな……?
グレースがゆっくりと首を動かして医務室を見渡す。
ベットサイドのテーブルには大切そうにルフィの麦わら帽子がまだ置かれていた。
『ル…フィ…。』
私、ルフィにちゃんと帽子返しにいけそうにないな……。
ごめんね…。
ルフィ…。
私…もう………。
《バンッ!》
大きな音を立てて開けられた扉にグレースが視線をやると
ケガをしたであろうサンジを担いだゾロが入ってきた。
ゾ「チョッパーは手が離せねぇか…!ちょっと待ってろ。死ぬなよ眉毛!」
ゾロはサンジを壁に寄り掛からせると急いで外へと出ていった。
『…!』
その体勢じゃダメ。
出血が多くなっちゃう。
『…んっ!』
グレースは力を振り絞るようにして起き上がる。
《ドサッ》
立つこともままならずベットから落ちるも
グレースは必死にビニールのカーテンを掴んだ。
『はぁっ…はぁっ…!…邪魔…っ!…!』
グレースは隙間なくしっかりと止められたカーテンの繋ぎ目をなんとか剥がすと這うようにしてサンジに近づきすぐにサンジを横にして診察を始める。
『っ!…。』
腹部出血。
弾は貫通してる。
とにかく止血しないと…!
グレースは必死に自分のカバンに手を伸ばすとなんとか引き寄せた。
止血剤!
ガーゼ!
あとは圧迫止血を…!
『んっ!』
ダメだ…。
力が入らない…。
これじゃあ止血できない…!
『おね…がい…止まっ…て…。』
グレースは必死にサンジの腹部に力を込める。
『はぁ…っ…はぁっ…!』
まずい…。
サンジ君の意識もないし
それなりに出血した状態でここに来たとしたら
これ以上の出血は…!
『……!』
ガーゼも足りない!
『んっ!』
《ビリビリ》
グレースは着ていた自分の服を破ると血まみれになったガーゼを投げ捨てて代わりにそれを傷口に押し当てた。
『はぁ…っ……んっ…。』
ダメだ…。
視界が……。
このままだと私の意識が……。
お願い…持って…。
この人を助けられなかったら私………。
『んんっ!』
グレースは血が滲むほどに自分の唇を噛みしめた。
『はぁ……はぁ……!…止まっ……た………うぅっ!ゲホッ!ゲホッ!はぁっ…はぁっ…。』
あぁ…。
とうとう吐血までいったか…。
私もそれなりの重症だ……。
けど…サンジ君を助けられたなら…それでいいや……。
《ドサッ…。》
それからしばらくして戦闘の一部を片づけたゾロがチョッパーを連れて戻ってきた。
ゾ「チョッパー連れてき…!?お前なにやってる!」
医務室に飛び込んだゾロの視界に入ってきたのは
ボロボロの格好で血まみれのグレースが横たわる姿だった。
チョ「サンジ!…グレース!?」
チョッパーは床に転がった血まみれのガーゼとグレースの服であろう残骸を見てすぐに状況を察した。
チョ「グレースが止血したんだ…。命懸けで…っ!今そこを出ることがどれだけ危険か…わかってるはずなのにっ…!」
チョッパーはボロボロと涙を流すとサンジをもう一つのベットに寝かせた。
チョ「ゾロ。グレースを頼む。」
ゾ「いいのか。」
チョ「もうそのカーテンは意味がない。グレースは自分で無菌状態の場所から出たんだ。サンジを助けるために。こうなったら誰がグレースに触れてももう同じだ…。」
ゾロはチョッパーの悔しそうな言葉を聞いてグレースを抱き上げるとベットに戻した。
チョ「グレース!よくもこんな…!こんな自殺行為をしてくれたな…!俺は怒ってるからな!このままなんて許さないゾっ…!…ありがとな…っ…。絶対にサンジを助けるからそこで待ってろ!」
チョッパーはサンジの処置をしながら大きな声でグレースにそう叫ぶとボロボロと流れ出る涙を拭った。
チョ「ゾロ。戦闘はまだ終わってない。俺は手が離せないからここを守ってくれ!グレースとサンジの命がかかってる!命懸けでグレースが助けようとしたんだ!俺がそのバトンを受け取って何としてでも助けるからここに誰も近づけさせるな!」
ゾ「任せろ。」
ゾロは力強くそう言うと医務室の外へ出ていった。
チョ「やっぱり内臓の損傷が激しい…。腹腔内での出血も…。オペになるけど一つずつ縫合すれば…!大丈夫。落ち着け。必ず2人とも助けられる。諦めてたまるもんか!」
そういうチョッパーの後ろでグレースが少し目を開けた。
視界にはルフィの麦わら帽子が映った。
あれ…?
帽子の上に何か乗ってる…。
あ。みんなだ。
小さいみんなが乗ってる。
可愛いな。
みんなこうやって大きな存在のルフィについてきたんだな。
私もその仲間に入れてもらえて幸せだったな。
最後にこんなことしてチョッパーきっとすごく怒ってるだろうな。
けど私ね、最後まで医者でいたかったの。
それと大切な人を守れる強い人でいたかった。
こんな姿になった私にいつもみんなが笑顔で隣にいてくれたように。
神様。
残り少ないかもしれないけど私の中に残ってるものは全部あげます。
だからサンジ君を助けて…。
あとはお願い…
『スーパー……ド…ク…ター………。』
チョ「グレース!?…グレース!」
チョッパーはかすかに聞こえたグレースの声に振り返るとすぐにグレースの異変に気づいた。
チョ「呼吸してない…!グレース!グレース!」
チョッパーはすぐに心臓マッサージを始める。
チョ「グレース!起きろ!グレース!」
まずい。
このままじゃサンジの命も危ない。
けど今ここを離れたらグレースは…。
俺にはどちらかの命なんて選べないっ…!
チョ「グレース!お願いだ!このままじゃサンジの命が危ないんだ!サンジのオペを続けさせてくれ!頼む!グレース!生きろ!サンジを助けたいなら生きろっ!」
『ゲッホ!ゲホッ!』
チョ「グレース!」
グレースが大量の吐血をし、シーツが真っ赤に染まった。
チョ「吐血したものが詰まって窒息状態だったんだ。」
チョッパーはすぐにグレースの手を取った。
チョ「グレース!わかるか?聞こえてたら左手を握れ!」
チョッパーの声にゆっくりと手が握られた。
チョ「よし!意識はあるな!俺はまだサンジを助けなくちゃならない。もう少し頑張れるか?」
チョッパーの問いにグレースが強く強く手を握り返した。
チョ「よし!!待ってろ!すぐ終わらせてグレースの処置するからな!説教はそれからだ!」
『はぁ…はぁ……。』
あはは…。
お説教付きか~…。
参ったな~…。
グレースの少し困ったような表情を見るとチョッパーはすぐにサンジのオペに戻った。
それから数時間が経った。
戦闘はとうの昔に終わったようでクルー達は心配そうに医務室の前で待っていた。
《ガチャ》
ル「チョッパー!サンジとグレースは!?」
チョ「サンジは命に別状はないよ。グレースのおかげだ。」
ナ「サンジ君はって…グレースは……?」
チョ「……できることは全部やった…。けど……。」
チョッパーはそう言うと医務室のドアを開けてクルー達を招き入れた。
そこには酸素マスクをつけられ弱々しく呼吸するグレースの姿があった。
チョ「内臓からの出血があったんだ。それで吐血した。その血液が詰まって窒息状態になって心臓と呼吸が一度止まってる。」
サ「嘘…だろ…。」
チョ「サンジ。気がついたか。」
サ「なぁ!何で…!何でこんな…!」
チョ「サンジを助けるためだ。グレースは自分で無菌室から出てサンジの止血をしてくれたんだ。今の状態のグレースにはかなりの無茶だ。グレースもわかってたと思う。それでも…自分を犠牲にしてでもサンジを助けたかったんだ…っ…。」
サ「………。」
サンジはベットの上で呆然とグレースを見つめた。
サ「あと…どれくらい…一緒にいられるんだ…。」
チョ「持って3日。早くて今日…だろう…。」
ナ「そんな…っ!」
サ「俺が…!俺がヘマしなければっ!クソッ…!」
