走りだしたルフィの後を追いかけて行くとようやくルフィが止まった。



何かを見てるルフィに続きクルー達も覗きこむ。



ﾌ「村だな。」



そこにはたいまつや、やぐら状に組まれた薪に火が灯された少し不思議な雰囲気の漂う小さな集落があった。



中央の広場には数十人もの人だかりができている。



ﾌﾞ「何かのイベントでしょうか？」



そんな話をしていると大きな声が響いた。



「姫様のお目通りだー！」



その声と共に広場の前に立つ大きな建物の扉が開いた。



中からは武器を持った数人の男と共に真っ白なドレスを着た少女が出てきた。



それと同時に広場に集まった全員がひざまづいた。



ﾙ「偉い奴か。メシくれねぇかな？」



全員がひざまづくと姫と共にいた家臣らしき者がルフィ達に気づいた。



「よそ者だ！」



ﾅ「ヤバっ！」



男達が武器を構えてこちらへやってくる。



ｳ「ヒィィィィ！」



すると突然別の男から声がかかった。



「兵よ！やめろ！姫様のご命令だ！」



兵達が振り返ると遠くで姫は何度も首を横に振っていた。



「姫様が言うのなら…。」



『…♪』



姫は安堵したように笑うとクルー達に手招きをした。



「そこの者ども。入れ。姫様が直々にこの村への入村を許可してくださった。」



クルー達は兵に囲まれて村へと入った。



ﾌ「許可とか言って警戒心むき出しじゃねぇか。」



『…。』



姫は何かを走り書きすると隣にいた家臣に渡す。



「祭事の最中とは言え貴重なお客様だ。丁重にもてなすようにと姫様からのご命令だ。我々は祭事に行かなくてはならぬ。よってその者"ども"のもてなしは村人に任せる。」



家臣がそう言うと姫は少し冷たい視線で家臣の袖を引っ張った。



「ゴホンッ…。失礼いたしました。その"大切なお客様"をもてなすように。」



家臣は姫に怒られ、少し不機嫌そうに言い直したようだ。



『♪』



姫はよろしいとばかりに笑顔を向けると隣の大きな建物へと向かった。



すぐに大きな扉が開き、家臣と数人の兵を引き連れて中へと入って行った。
残った兵は扉の前に立ち、警備をしているようだ。



扉が閉まると村人達が立ち上がりクルー達を囲んだ。



ｳ「ななななんだ！？」



「お客人だー！」



「何年ぶりかしら！」



「さぁ！こちらへ！」



村人達は嬉しそうに笑うとクルー達を小さな建物へと案内した。



「狭くて申し訳ないですが寛いでいってくださいね♪」



「ここは村で唯一の飲食店なんだ。村人も少ねぇからこれで事足りてたが今日ばかりは手狭になりそうだ♪」



「おーい！クーシ！今日はどうする？」



「そりゃ決まってんだろ？姫様に招待された客人だ。パーっと盛り上がろうぜ！お客人方、ここは俺の店なんだ。今日は好きなもん頼んで好きなだけ飲み食いしていってくれ！」



ﾙ「いいのかー！？おっさんありがとな！」



「お前らも好きなだけ食っていいぞー！ただしちゃんと客人をもてなせよ？」



「「イェーーーイ！」」



「クーシおじさん！私お手伝いするね！」



「お。キャンディ。ありがとな♪」



店主にそう言って得意げに笑ったのは小さな女の子。

周りを見渡すと村人達はみな笑顔で楽しんでいる。



ﾅ「いい人達みたいね♪」



ﾁｮ「うん♪」



「はい、どーぞ♪」



そう言って少女がドリンクを持って来てくれた。



ﾁｮ「ありがとな♪」



「私はキャンディ！みんなは島の外から来たの？」



ﾛ「そうよ♪」



「わ～♪外のお話聞きたい！」



「お！俺も！」



「いいねー。聞かせてもらおう！」



村人達は口々にそう言うと自己紹介をする。



クルー達も自己紹介をして
楽しい宴が始まった。