《ガチャ》



「あ！姫様だ！」



「姫様～！見て見てー！チョッパー描いたの！」



『…！～♪』



《そっくりね♪》



ﾁｮ「俺もキャンディ描いたゾ♪」



「わぁ～！チョッパー上手！」



『♪』



楽しそうにはしゃぐ子供達にナギも嬉しそうに笑う。



ﾅ「あんたもう体はいいの？」



ナミが小声でナギに問う。



《今朝よりは。》



ﾅ「あんまり無理しちゃダメよ？」



《ありがとう♪》



ﾅ「2階でレヴィン達が作業してるから行ってみて。多分、大まかな流れくらいは教えてくれるから。」



『？？？』



「ナミお姉ちゃ～ん！これ見て～！チョッパーが私を描いてくれたの♪」



ﾅ「あら、よかったじゃない♪」



ナミは子供達の相手をしながらナギに合図を送る。



ナギはそれを見て、子供達にバレないようにそっと2階へと上がった。



「お。やっときたか。」



『何してるの…？』



ナギは下の階に聞こえないように小声で話す。



「村長の日誌のダミーを作ってる。」



『え…？』



ｻ「ナギちゃんを助け出す方法を思いついたんだ♪」



こうして3人はナギに作戦内容を説明する。



『それって私が死んだフリをすればいいって事…？』



「そういう事だ。」



『……無理かも…。』



ｻ「どうしてだい？」



『私…そんな演技力ないし…。自信ない…。』



ナギは不安そうな表情でそう言った。



「いや。お前はできるよ。」



『え…？』



「ごまかしに関してはこの村でトップクラスだろ。体型をごまかして、体調が悪くても平気なフリして。人を騙す事に関しては一流だ。」



『それは……。』



そっか…。
私は今までみんなを騙してきたんだ…。



「今までそうやってきたんだ。今更、後悔なんかするな。大事なのはこれからだ。みんなを騙して申し訳ないと思ってるんなら全部終わった後に謝ればいい。生き延びさえすればそれができるんだ。だから今は手段を選ばず前へ進め。」



『…………。』



生き延びて謝る…。

けどもし、私が死んだ事になったら
子供達は……？

悲しむかな…。
とても辛い思いをするかな…。



「どうせお前の事だから子供達の事でも考えてんだろ。」



『うん………。』



「お前忘れたのかよ。最初の予定ではお前は子供達の目の前で死ぬ予定だったんだぞ。お前がやろうとしていた事が子供達にどれだけのショックを与えるか。お前はそれがわかっててよりショックのデカい方法を選んだんじゃねぇのかよ。」



『………。』



そうだ……。
私はインパクトを与えたくて、
村中の人にショックなシーンを見せて動揺から疑いへと気持ちを揺らして
村長に疑いの目が向きやすいようにしようとしてたんだ……。

それは大人達と一緒に儀式を見守る子供達にも同じ光景を見せる事になる。
もちろんそれをわかってて私はやろうとしたんだ………。



『私…最低だ……。』



「あぁ。そうだ。お前は最低だよ。」



ﾌ「おいおい、そこまで言うことねぇだろ。」



『いいの。本当の事だから。』



ｻ「ナギちゃん…。」



『わかった。私やるよ。』



「なら協力してやる。」



『ありがとう♪』



ｻ「できるサポートは何でもするぜ♪」



『サンジ君もありがとう♪あとでみんなにもお礼しなくっちゃ。私、頑張るね！』



ﾌ「そんじゃ俺は大工仕事に取り掛かるか。」



『何を作るの？』



ﾌ「まぁ、待ってろって♪そんじゃ
ここは頼んだ。」



フランキーはレヴィンとサンジに作業を任せると1階へ降りていった。