次の日の朝。



朝食には色鮮やかなサンドイッチが並んだ。



ミライは少し真剣な顔をしてサンドイッチを食べる。



ｻ「どう…？」



『……うぅん…何も…。』



ｻ「そっか。これは失敗か。」



『ごめんね…。』



ｻ「気にすんなって♪」



ﾌﾞ「何の話ですか？」



ｻ「ミライちゃんの鍵探しだ。」



ﾌﾞ「鍵？」



ﾙ「サンドイッチの中に鍵入ってんのか？」




ｻ「いや。そうじゃねぇ。」



『昨日チョッパーが私の記憶について教えてくれたの。』



ミライはクルー達に説明する。



ｻ「それでこれがミライちゃんがこの船に来て最初に食べたメニューってわけだ。」




ﾁｮ「なるほど。」



ﾌﾞ「そういう事でしたら他にも色々と試してみましょう！私も協力しますよ♪」



ﾅ「そうね！」



『みんなありがとう♪』



こうしてミライの大切な鍵探しが始まった。
チョッパーは一抹の不安を覚えながらもそれに参加した。



あらゆる事を試し続けて数日。
全く結果が出ない事にミライはすっかり落ち込んでいた。




『みんな…。ごめんなさい…。せっかく協力してくれたのに私…。』



ﾁｮ「大丈夫！ミライのペースでゆっくりやっていけばいいさ♪」



『でも……。』



ｻ「気にすんなって。まだまだ試してみる可能性はいくらでもある。たまたま今回やったのが外れだったってだけだ。ミライちゃんがこの船に乗ってから今日までの半年間で経験した事は山ほどあるんだぜ？」



『そっか……。ありがと…。』



ミライがすっかり元気をなくしてから数週間後。



ﾁｮ「よし！これでもう腕は完治だ！」



『ありがとう♪』



ﾁｮ「ギプスをしていた期間はそこまで長くないからちょっとリハビリすればすぐに元通りの生活に戻れるゾ♪」



『わかった。』



ミライはそれを聞いて腕や指を動かす。



ﾁｮ「うん！大丈夫そうだな！」



ミライは医務室を出るとラウンジへ向かった。



ｻ「いらっしゃい♪腕どうだった？」



『チョッパーがもうギプス外して大丈夫だって。』



ｻ「そうか！よかった♪」



サンジは自分の事のように喜んだ。




不思議な人。
ケガしたのサンジ君じゃないのに。



ｻ「何か飲むかい？」



『うん。じゃあ、ミルクティーがいい。』



ｻ「かしこまりました♪」



ミライはいつもの自分の席に座るとふと手を眺めた。



少し筋肉が痩せて細くなっちゃったな。

あれ…？



『これ…。』



ミライは自分の指にはめられた指輪を見る。



今まで手の甲の先の方まで包帯でぐるぐる巻きだったからわからなかったんだ…。


前の私が好きだったアクセサリーかな…？

不思議な色…。




その指輪は透き通るようなオレンジ色をしていた。



『キレイ……。』



そうつぶやくミライにサンジがそっと振り返る。



ｻ「………。」



指輪に気づいたか…。
けど隠しておこう。
今のキミに言っても混乱するだけだ…。
今のキミにその感情はないんだろう……？



ｻ「…お待たせ♪」



『ありがとう♪ねぇ、サンジ君。この指輪知ってる？』



ｻ「え、あ…あぁ。ミライちゃんがいつもつけてた指輪だ。」



『そっか。じゃあ、大切な物なのかな…？不思議な色してるね。』



ｻ「それは夕焼けの色だよ。」



『夕焼け？サンジ君この指輪の事知ってるの？』



ｻ「あ…いや…。前にミライちゃんがそう教えてくれたんだ。」



『そうなんだ。夕焼けの色か～。キレイだね♪』