チョッパーが怒ってた…。
あんな顔のチョッパー初めて見た……。
すごく怒ってた……。



ｻ「フォルテちゃん。」



サンジはフォルテの肩を叩くとフォルテにメモを手渡した。



そこにはチョッパーが怒っていた内容が書かれていた。



『……。』



チョッパー…。
そう…だよね…。
お父さんとお母さんにもらった命か……。
確かにそうだ…。
でも音楽をできなくなった娘はいるかな…。
音楽家の家なのに音楽ができないなんて…。
それに…私怖い…。
いつかみんなのお荷物になるのが怖いの…。
私は音楽しかできない。
ブルックみたいに戦闘もできない。
そんな私から音楽がなくなっちゃったら何の役にも立たないじゃない…。
また笑ってほしいって言われても
笑ってるだけじゃ何にもならない。
笑ってるだけの人間がこの船に必要だとは思わない…。



ｻ「ごめんなっ…。」



サンジはフォルテをギュッと抱きしめると聞こえるはずもないフォルテに静かに話し始めた。



ｻ「俺さ…一緒にいればなんとかなるんじゃないかって思ってたんだ…。一緒にいればいつか笑ってくれるんじゃねぇかって…。でもそうじゃねぇんだよな…。フォルテちゃんは音楽がやりてぇんだ…。音楽ができなくなった事が何よりも苦しいんだ…。そうだろ…？ごめんな…。そんなに思いつめてるって気づいてやれなかった…。キミにこんな決断までさせちまった…。」



『………。』



何でだろう…。
不思議…。
サンジ君が何かを言ってるのがわかる。
なんとなく内容もわかる。
聞こえないのに不思議…。



ｻ「でもさ、1つだけ言わせて。俺、フォルテちゃんの人柄とか好きだ。それはみんなも同じだ。ルフィだってフォルテちゃんの音楽だけに惹かれて誘ったんじゃねぇ。フォルテちゃん自身だから誘ったんだ。だから音楽ができなくなってもみんながフォルテちゃんを好きって気持ちは変わらねぇから。絶対に。」



『……す…き…？』



ｻ「フォルテちゃん…？聞こえるのか…？」



サンジはそっとフォルテから離れた。



『………。』



だがサンジの問いかけにフォルテは答えなかった。



ｻ「そうか…。けど俺も諦めねぇからな。」