そのあと、いつものように夕食が始まった。
あんなに騒がしかった夕食もフォルテにとっては無音だ。



『あ…。』


ルフィがまたウソップのお肉取ってる…。
きっと言い合いしてるんだろうな…。
いつもならうるさいくらいなのに…。



ｻ「フォルテちゃん？食欲ねぇ？」



少し心配そうにフォルテの顔を覗くサンジ。



『………。』



サンジ君は優しいな…。
きっと心配してくれてるんだよね…。
こんな私に……。
私はサンジ君やみんなに優しくしてもらっても何も返せないのに……。



夕食が終わったあと。
ラウンジにはお風呂上がりのドリンクを飲むナミの姿があった。



ﾅ「チョッパー食べ終わったらすぐ戻っちゃったわね…。」



ｻ「はい…。ずっと図書室にこもりっきりみたいです。昼間も早く帰ってきて新しい本読んでたみたいですし…。」



ﾅ「私たちも何か手伝えればいいんだけど…。」



ｻ「そうですね…。そう言えばフォルテちゃんは？」



ﾅ「外でルフィ達と一緒にいるわ。」



そんな会話をしていた時だった。



ｳ「フォルテ！」



ﾙ「どうした！？フォルテ！」



ｳ「チョッパー呼んでくる！」



ﾅ「何か外が騒がしいわね。」



ナミとサンジが甲板に出るとそこには慌てふためくルフィの姿があった。



ｻ「どうした？」



ﾙ「フォルテが何か変なんだ！」



そこには芝生に崩れるフォルテの姿があった。



ﾅ「フォルテ！？」



ｻ「フォルテちゃんどうした！？」



サンジがそっとフォルテを支える。



『んー………。』



フォルテは小さな声をあげてサンジに体を預けた。



ｻ「フォルテちゃん！しっかり！」



ﾁｮ「どうした！」



ﾅ「チョッパー！フォルテが！」



ﾁｮ「サンジ、そのままフォルテを寝かせてくれ！」



ｻ「お、おぅ。」



ﾁｮ「ごめんな、ちょっと診せてな。」



そう言ってチョッパーが診察を始める。



ﾁｮ「ん～。フォルテ、目開けられるか？」



チョッパーがトントンとフォルテの肩を叩く。



『ん………。』



フォルテはうっすらと目を開けた。



『…んー……。』



ﾁｮ「ごめんな、ツラかったな、もう閉じてていいゾ。」



ﾙ「フォルテは大丈夫なのか！？」



ﾁｮ「うん。ちょっとめまいを起こしてるだけだ。」



ﾅ「よかった…。」



ｻ「これも耳と関係あんのか？」



ﾁｮ「うん。めまいもこの病気の症状の１つだ。フォルテ…ごめんな…。絶対なんとするから。もう少し頑張ってくれ…。」



ﾅ「チョッパー…。」



ﾁｮ「サンジ。フォルテを医務室に運んでくれ。」



ｻ「わかった。」



サンジがフォルテを抱き上げると
フォルテはサンジのシャツをギュッと掴んだ。



『…ら…い…じょう…う…。（大丈夫）』



ﾅ「気にしないでゆっくり休みなさい。」



ナミはそっとフォルテの頭を撫でた。



サンジはフォルテを医務室のベットに寝かせると優しく手を握った。



ｻ「ここにいるからな。」



しばらくそうしているとフォルテは眠ってしまった。



ｻ「疲れてんだろうな…。」



サンジはそっと側を離れると後片付けに戻った。