『小学生の時に大きなケガをしました…。それまでは何も変わりなく生活していて…。…休日に父と遊びにでかけたんです。その帰りに事故に遭いました。妹を妊娠していた母は家で留守番をしていたため無事でしたが父は私をかばって死にました。気がついた時には病院でした。命は助かったものの、私は右半身不随になっていました。その時に聞かされたのは事故の原因は飛び出して来た飲酒運転の車だった事、その車と正面衝突をした事。私は幸いにも衝撃でその時の記憶がほとんどありませんでした。なので父の最後を私は知りません。…それから必死にリハビリをして今があります。これが私の全てです。満足しましたか…？』



ｻ「………。」



『まぁ、そうなりますよね。別に気にしないでください。もう終わった事なので…。』



ｻ「…じゃあさ、その右目は…？」



『見たいんですか…？あまりいいものではありませんよ…。』



真希はそう言って眼帯を外した。



眼帯の下には左目と変わらない瞳があった。



真希は不意に目を動かす。

すると動いたのは左目だけ。
右目はまっすぐ前を見ていた。



『わかりました…？これは義眼です。事故の衝撃で右目も失いました。気持ち悪いので隠しています。』



真希はそう言ってすぐに眼帯をした。



ｻ「真希ちゃん、やっぱりカワイイよ。」



『は…？』



ｻ「もう一回見せて。」



『…あなた変…。こんな物見て何が楽しいんですか…。』



ｻ「いいから。」



『わかりました…。』



真希はしぶしぶ眼帯を外した。



ｻ「ほら！やっぱりカワイイ♪それにキレイだよ。」



『キレイって…この目がですか…？』



ｻ「あぁ♪」



『あなた変わってますね…。』



ｻ「サンジ。」



『え？』



ｻ「俺の名前♪」



『は、はぁ…サンジさん…。』



ｻ「おぅ！よろしくね、真希ちゃん♪」



『よ、よろしくお願…って…え！？』



ｻ「俺ら今日から友達♪」



『ちょ、ちょっと！そんなつもりは…。』



ｻ「なくても友達♪なってくれるまで諦めねぇよ？」



『またですか…。わかりました…。』



ｻ「よっしゃ！」



『変わった人…。』