それから数週間後。



いつものようにあくびをしながら保健室のドアを開くとそこには浅井さんだけがいた。



『あ……。』



ｻ「あれ？今日は1人？」



『ケガ人が出たので先生は病院に付き添いで行ってます。何かご用ですか？』



ｻ「いや。昼寝しに来ただけ。」



『そうですか。』



ｻ「怒らねぇの？」



『別に…。今は誰もベットを使ってないので。それに怒ったところで無視するでしょう？』



ｻ「まぁな。よく知ってんじゃん♪」



『前に先生が怒ってた時もそうだったので…。』



ｻ「なんだ俺の事覚えてるんじゃん♪」



『それは同じクラスなので。』



ｻ「へぇ～。クラスメイトの顔もちゃんと見てるって事か♪」



『まぁ、そりゃ視界には入りますし。』



ｻ「もっと無関心なんだと思ってた♪なぁ、浅井さんの下の名前は？」



『何なんですか？寝るなら勝手にどうぞ。昼休み終わりますよ。』



ｻ「寝るのやめた。浅井さんと話がしたいな♪」



『前にも言いましたよね？私に構わないでください。』



ｻ「なんで？」



『何でって…。私の事知らないんですか…？』



ｻ「名前しか知らねぇ。」



『…。私は学年トップの成績の持ち主。あなたのようなバカとお話するつもりはありません。噂通りの性格の悪い女です。なのでこれ以上私に関わらないでください。』



ｻ「ははははは！」



『！？…な、何がおかしいんですか！』



ｻ「普通さ、自分で性格悪いとか言う？自覚してるなら直しなよ(笑)」



『別に…。これが気に入ってるので。』



ｻ「気に入ってるってまるで後で取って付けた性格みたいな言い方だよね(笑)本当は違うの？」



『何なんですか！もう黙っててください！』



ｻ「怒るなって～。あ、そう言えば下の名前は？」



『何でそんな事あなたに教えなきゃいけないんですか。』



ｻ「俺が知りたいから♪」



『私は教えたくありません。』



ｻ「じゃあ、ずっと聞き続ける(笑)答えてくれるまで俺、諦めないから♪」



『…はぁ…。』



彼女は諦めたようにため息をついた。



『真希です。これで満足ですか？』



ｻ「真希ちゃんか～。カワイイじゃん♪」



『お世辞をどうも。さぁ、早く教室に戻ってください。目障りです。』




ｻ「釣れない事言うなよ～。そうだ、真希ちゃんも一緒に戻ろう？もうすぐ昼休み終わるぜ？」



『私はここにいます。次は自習なのでここで課題をやります。ケガ人や病人が来た時に誰もいないと困るので。」



ｻ「自習か～。じゃあ、俺もここにいよ～♪」



『はぁ…。』



真希は余計な事を言ってしまったとばかりにため息をついた。