都内にある高校。


俺はここに通う3年生。

3年になってから数ヶ月。
俺はいつも1人でいるクラスの女子が
気になっていた。

教卓に貼られた座席表を見るとそこには浅井の文字。



浅井さんは身長が145cmくらいとかなり小柄。
右目にいつも眼帯をしていて隣にはいつも杖が置かれている。

彼女は足が悪いらしい。

俺が知っているのはそれだけ。

3年のクラス替えで初めて彼女と同じクラスになった。

前に彼女と同じクラスだった女子に聞いてみても
みんな口を揃えて“よく知らない”と言う。

友達はいないようだ。


何度か話しかけてみようかと思ったがなかなかきっかけがない。



そんなある日の昼休み
あくびをしながら保健室のドアを開くと保健医と話す彼女がいた。



「また来たの？ここは昼寝の場所じゃないっていつも言ってるでしょ！」



いつものように言う保健医を適当にあしらってベットへ直行。



「まったく！」



『…先生。もういいですか…？』



「えぇ。あとは放課後の委員会でみんなで話し合いましょ♪」



『はい。失礼します。』



彼女はそう言うと保健室を出ていった。



ｻ「今の子ってさ…。」



「ん？浅井さん？」



ｻ「どっか悪いのか…？」



「保健委員だから来てただけよ？」



ｻ「そうか。」



「確か同じクラスじゃなかったっけ？」



ｻ「まぁ、そうだけど。」



「気になるの？」



ｻ「そ、そういうわけじゃ…。」



「先に言っておくけどお近づきになるのは無理だと思うわ。」



ｻ「なんでだ？」



「彼女ね、馴れ合いとかそういうの嫌うの。」



ｻ「だから友達もつくらねぇって事か…。」