その頃、島の奥では。



「大変だポー！侵入者だポー！」



「こら！ポッケ！騒ぎを大きくするな！」



「ポ？兵隊さんもついてきたポ？侵入者はいいのかポ？」



「よくはないが今は騒ぐな。エリカさんに知られたら…。」



「ポ？知られちゃダメだポ？侵入者が来たら知らせるのか決まりだポ。」



「だが今のエリカさんは…。」



「ポ…。そうだったポ！大変だポ！エリカー！今のは嘘だポー！」



「もう遅いぞポッケ…。」



ポッケはすでにエリカという人物がいる家の前で叫んでいた。



「あ…。遅かったポ。でも大丈夫だポ！嘘だって言ったポ！」



ポッケは自慢げに言った。



だが家の中では…。



『侵入者…？…行かなきゃ…。』



「ダメよ！そんな体で！私が代わりに行くわ！」



『ダメ…。うさちゃんはみんなを村の奥に…。』



そう言ってフラフラと立ち上がったのは赤いロングヘアーの少女だった。



彼女の名前はエリカ。
この村の村長。


ドアの前で必死に彼女を引き止めるのは
ピンクと白のチェックのワンピースを着た身長30cmほどのウサギのぬいぐるみ。



「ダメよ！熱があるのに！」



『私は大丈夫だから…早くみんなを…。』



「でもっ！」



必死に止めるウサギを尻目にエリカは引き出しから銃を取り出した。



『みんなをお願いね。』



エリカはそう言うと家を出て行ってしまった。



「エリカちゃん！待って！…行っちゃった…。どうしよ…。」



と、そこへ慌ててポッケが入ってきた。



「大変だポ！エリカが行っちゃったポ！」



「もう！知ってるわよ！ポッケ君が叫ぶから！」



「ポ～…。ごめんポ～…。」



「もうこうなったらしょうがないわ！私もエリカちゃんの所に行くからポッケ君はみんなを非難させておいて！」



「わかったポ！ポッケに任せろポ！」



ウサギは少々不安を抱いたが兵隊にポッケを任せてエリカの後を追った。