「エリカちゃん…。まだ辛そうね…。」



ﾁｮ「うん。症状が進行してたから完全に回復するには少し時間がかかると思う。」



「そう…。」



ｻ「そういやここには医者はいねぇのか？」



「いないわけじゃないけど私たち専門なの。」



ﾁｮ「専門？」



「ぬいぐるみ専門ってこと。ここでは人間はエリカちゃんだけだから。ここにいるお医者さんは人間は診れないの。切ったり、縫ったり、綿を新しくしたり。ここにいるお医者さんができるのはそれだけ。」



ｻ「そうか。それで進行しちまってたのか…。」



「えぇ…。気づいた時にはもうまともに歩けない状態だったし…。だからお医者さんがいる島にも行けなくて…。」



ｻ「でも俺らが来た時に普通に歩いてきてたよな…？」



ﾁｮ「強がりだよ…。それと大切な家族を守りたいって思いだな。本当は歩くなんてできるような状態じゃなかったんだ。正直、診察して驚いたよ。」



『っ…ぅ…。』



「エリカちゃん？」



『はぁっ…はぁっ…はぁっ…。』



ﾁｮ「熱が上がってる。やっぱり昼間の無理がたたったんだ。」



「エリカちゃん…ごめんね…。私達のせいで…。」



ﾁｮ「みんなのせいじゃないさ。エリカは自分の意思で俺達に立ち向かおうとしたんだ。」



ｻ「大切に思われてんだな♪」



「エリカちゃん…。私達も同じくらいエリカちゃんが大切よ。だからもう無理はしないで…。」



『っ…やめ…て……。』



ﾁｮ「どうした？」



「エリカちゃん…。もう大丈夫よ。ここにはお父さんもお母さんもいないわ。あの島の人達だって。」



『っ…い…たい…よ…っ…。』



「エリカちゃん……。時々こうやってうなされる時があるの。きっと子供の頃の夢を見てるのね…。」



ｻ「エリカちゃんはいつからこの島にいるんだい？」




「10歳の時からよ。」



ﾁｮ「じゃあ、ここに来て結構経つんだな。」



「えぇ。」