しばらくしてメグが落ち着いた頃、ナミとロビンがやってきてメグをシャワーに誘った。



他の男性クルーに会わないように気を使ってナミがバスルームへと手を引いてくれた。



シャワーを終えて医務室に戻ると温かい食事が置かれていた。



ﾁｮ「サンジが持って来てくれたんだ♪」



『…サンジさんって…さっきの人…？』



ﾁｮ「うん！」



『そっか……。』



ﾁｮ「怖いか？」



『…ちょっとだけ…。男の人って力が強くて…とてもじゃないけど私じゃ振り払えなかった…。また…あんな事になったらって思ったら…怖くて…。私の事…助けてくれたし…きっとこの船に乗ってる人達は悪い人じゃないって思うんだけど…でも………。』



ﾁｮ「そっか。」



ちょうどそこへナミとロビンがやって来た。



ﾅ「どう？ご飯食べれそう？」



『はい…。すみません。何から何まで…。助けてもらって、服まで借りてその上お食事まで…。』



ﾛ「気にしないで♪」



『ありがとうございます…。』



メグは一言お礼を言うとそっと手を合わせて小さな声で呟いた。




『いただきます。』



ゆっくりと食事を口に運ぶ。



『美味しい…。』



ﾁｮ「サンジの作るメシは世界一ウマいからな♪」



そう言うチョッパーにメグにも笑みがこぼれた。



それはメグがこの船に来て初めて笑った瞬間だった。



何だか不思議な味。
温かくて、優しい味。
これは誰かを思って作ってくれた料理の味だ。



『おばあちゃんのご飯みたい…。』



ﾁｮ「メグにはおばあちゃんがいるのか♪」



『うん…。でも、先週亡くなったの…。私、両親を海賊に殺されて…おばあちゃんに育てられたんだ。今までずっと一緒だったのに……。』



ﾁｮ「そうか……。」



『一人ぼっちになったら眠れなくなっちゃって…。それで昨日の夜に少しだけ散歩してたの…。そしたら男の人に捕まってあの森に………。」



ﾅ「そうだったの…。」



メグが食事を終えるとナミが食器を片付けるためにトレーを持ち上げた。



『あ！私やります！動けるので大丈夫です！』



ﾛ「大丈夫よ♪きっとコックさんがキッチンで待ってるから。」



ﾅ「それに手痛いでしょ？」



『あ……。ありがとうございます…。』



ﾅ「あとついでにもう一つ。その敬語ナシにしない？」



『え…？』



ﾅ「チョッパーには敬語使わないのに私達には使ってるでしょ？」



『あ……。ごめんね、チョッパー君。話しやすくてつい…。』



ﾁｮ「ははは♪敬語なんていらないゾ。俺達もう友達だろ？」




その言葉にメグの表情が明るくなった。




ﾅ「そういう事♪」




『ナミ、ロビン、チョッパー、ありがとう♪』



ﾛ「ふふふ♪」



その日の夕食の時間。



ナミとロビン、チョッパーは医務室に自分達の食事を持ってきて一緒に食べてくれた。



誰かと食べるご飯がとても久しぶりな気がして温かかった。



それと同時にこんな空気を作り出す他のクルーにも会ってみたいという気持ちが少し湧いてきた。



この幸せな気持ちになる食事を作る人にも…。