両手はきつくロープで縛られ上に上げられたまま近くの木の幹にしっかりと繋がれ、頬は腫れ上がり、白い肌にはいくつかの傷とアザが残っていた。

そしてなにより少女は生まれたままの姿だった。


服はビリビリに破かれ、あたりに散らばっていた。



その状況が何を意味するかを悟ったナミがすぐに彼女のロープをほどいた。



ﾅ「なんてひどい事……。」



チョッパーがその腕をそっと下ろす。



ﾁｮ「かなり擦り切れてる…。きっと必死にほどこうとしたんだろう……。」



何も言わずにサンジが自分のジャケットを少女にかけるとそっと抱きかかえた。



ｻ「船で治療するだろ？」



ﾁｮ「うん。」



クルー達は少女を連れて船に戻った。



医務室でチョッパーが手当をする。



ﾁｮ「よし！これでいいゾ！」



チョッパーが手当をしているとナミとロビンが入ってきた。



ﾛ「様子はどうかしら？」



ﾁｮ「まだ意識か戻らないんだ…。」



ﾅ「私のお古だけど着替えはこれでいいかしら？」



ﾁｮ「うん！ありがとう♪」



ロビンがそっとベットに座ると濡れたタオルで少女の頬に幾重にも伝った涙のあとを拭いた。




ﾅ「あの人の言ってた意味がようやくわかったわ……。叫びの森って…こういう事だったのね…。」



ﾁｮ「うん…。きっとこの子も助けを求めてずっと泣き叫んでいたんだろう…。」



そう言ってチョッパーは腫れ上がった頬にガーゼを貼った。



手当を終えるとナミとロビンが少女を着替えさせた。




チョッパーに少女を任せてナミとロビンはクルー達のいるラウンジへと戻って行った。



チョッパーは氷袋に氷水を入れるとガーゼの上から頬にそっと当てた。



ﾁｮ「しばらく冷やしておこうな。」



チョッパーがそう優しく声をかけた時、氷水の冷たさに少女の眉がキュッと寄った。



ﾁｮ「気がついたか？わかるか？」



『ん……。』



少女はゆっくりとブルーの瞳を開けた。