サンジ君が私を好き…？

どうして…？

こんな汚れた私のどこかいいの…？


それともただの同情…？


そんなのいらない…。



メグはグルグルとめぐる考えの中、涙を流した。




翌日。


早朝にメグはキッチンへと向かった。



そこには予想通り朝食の仕込みをするサンジの姿があった。



ｻ「おはよ♪早いね。眠れなかった？」



『うん…。サンジ君…。昨日の事なんだけど…。』



ｻ「あぁ…。ごめんな。困らせるような事言って…。」



『…私、考えたの…一晩中。でもわからなくて…。サンジ君は私のどこが好きなの…？…それとも本当は好きじゃなくてただの同情…？もしそうなら…そんなのいらない。』



そう言うメグにサンジは紅茶を入れるとメグを席に案内した。



ｻ「ごめんな…。そう言う顔させたかったんじゃねぇんだ…。」



『………。』



ｻ「メグちゃんに惹かれた理由はたくさんあるよ。もちろん同情なんかじゃねぇ。メグちゃんは笑顔がキレイ。それにすごく強い所も好きだ。」



『強い…？』



ｻ「笑ってる事さ。…ほんとは無理して笑ってるだろ…？」



『…どうしてそう思うの…？』



ｻ「なんとなく。…そういう所を見てるとほっとけないって言うか…。…いつか心の底からの笑顔で笑ってほしいって思うんだ…。俺が隣にいたらそれはできねぇ…？」



『……っ…。』



メグの頬を涙が伝った。



『…ありがとう…っ…。でも…私…汚れてる…。サンジ君の隣にいる資格なんてないの…っ…。』



ｻ「そんな事ねぇさ。メグちゃんはキレイだよ♪できるだけ心配かけないように無理して笑ったり…そうやって誰かに気づかいできるのはキレイな心の持ち主だからさ。でも俺にはそういうのはいらねぇ。怖いなら怖いと言えばいい。泣きたいなら好きなだけ泣けばいい。メグちゃんの涙はいつだって俺が拭ってやる。だから…俺をメグちゃんの隣にいさせてくれ。」



『サンジ君…。』



あぁ…。
なんて暖かいんだろう…。
この人の暖かさはずるいよ…。
こんなにまっすぐに私を思ってくれて、こんなに優しくて…。
もう…断る理由がないじゃない…。



『…船…降りる…。』



ｻ「メグちゃん……。やっぱり俺じゃダメか…？」



『…サンジ君の気持ち、とっても嬉しいよ。私もサンジ君が好きかも…。』



ｻ「ならどうして！」



『好きだから♪』



メグは少し意地悪に笑って見せた。



ｻ「…？」



『旅に出るには一度、船を降りてお家から荷物持って来ないとでしょ？』



ｻ「メグちゃん…じゃあ…！」



『うん。サンジ君には負けた。私も海に出る。サンジ君と…この麦わらの一味と一緒に！』



そう言って立ち上がるメグをサンジは抱きしめた。



ｻ「クソ嬉しい！」



『ふふふ♪…でも約束忘れないでよ…？』



ｻ「約束？」



『私が…泣きたくなったら…その…。』



ｻ「あぁ。忘れねぇ。いつだって俺が涙を拭ってやるさ♪」



『うん♪』



こうしてメグは早めの朝食をとると家に戻っていった。