ﾅ「そんな事があったのね…。」



ゾロとチョッパーの話を聞いたナミが言った。



ｻ「マキちゃんそれでいつも長袖だったのか…。」



ﾁｮ「ナミとロビンは薄々気づいていただろ…？」



ﾛ「えぇ。」



ﾅ「毎晩寝る前に飲んでる薬。あれって精神安定剤よね…？」



ﾁｮ「そうだ。マキは今あの薬で心を保ってる…。子供の時からずっと耐えてきたんだ…。どこに行っても厄介モノ扱いされて、挙句の果てにやっと行き着いた最後の場所で虐待を受けて…。それでも、生きていくためには耐えるしかなかったんだ…。」



ﾌﾞ「想像を絶する辛さだったのでしょうね…。」



ﾛ「そうね…。」



ﾙ「ちょっと行ってくる。」



しばらく黙っていたルフィはそう言ってラウンジを出ると医務室へ向かった。



医務室でマキは辛そうに呼吸を荒げていた。



ルフィはそっとマキに近づくと大事な麦わら帽子を枕元に置いた。



ﾙ「もう隠すな。何でも1人で背負おうとするな。もう1人じゃねぇんだ。」



ルフィはそう言うとニシシ♪と笑ってマキの頭を撫でた。



ﾙ「元気になったらまたウソップ達と鬼ごっこしような。」





『ん………。』



目を覚ますと医務室から出て行く誰かの背中が見えた。



『誰………？あれ…？これ…ルフィの帽子…。』



ﾁｮ「ルフィが置いてったんだな♪」



ルフィと入れわかりで入ってきたチョッパーが言った。



『これ…。ルフィの一番大切な物なんだよね…？』



ﾁｮ「そうだゾ♪ルフィは自分の一番大切な物を預けるくらい信頼してるって事だ。」



『信頼……。』



ﾁｮ「だから隠さなくていいって事♪」



『え…？』



ﾁｮ「悲しい事も辛い事も。全部みんなで分け合ったらきっと軽くなるゾ♪
マキが泣いた時はみんなが隣で笑ってくれるさ。マキが楽しい時はみんながもっと楽しくしてくれる。仲間っていうのはそうやって色んな物を分かち合って何倍もの力にできるそんな存在なんだ。だから1人で悩まないで何でも話すといい。きっと何倍もの優しい力になるから。」



『チョッパー………。ありがとう…♪マキは麦わら帽子をギュッと抱きしめると再びベッドに入った。




柔らかく微笑むマキの額にチョッパーがタオルを乗せる。



ﾁｮ「体内のウィルスが減るのに時間がかかるからあと数日は高熱が続くと思うけど頑張れるか…？」



『大丈夫。だってチョッパーがいてくれるんでしょ？』



ﾁｮ「おぅ！任せとけ☆しばらくは感染を防ぐためにみんなとは会えないけどな。」



『うん。あ…。チョッパーは平気なの…？』



ﾁｮ「この病気は人間にしか移らないんだ。俺はトナカイだからな♪」



『そっか。』



ﾁｮ「だからずっとマキのそばにいるゾ♪」



『ありがと…♪』



チョッパーがマキの手を優しく握るとマキは安心したように眠りについた。



ﾁｮ「しばらくは辛いだろうけど頑張ろうな。」