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ヒロイン

そして騒がしい夕食を終えて夜も更けた頃。



キッチンで明日の仕込みを終えたサンジと一息。



サ「まだ寝ないのかい?」



『もうちょっとだけ起きてる♪』



そう言いながらナナミはサンジに笑顔を向ける。



サ「そうだ。ナナミちゃんにさ、プレゼントあるんだ。」



『プレゼント?なぁに?』



サ「これ。前に見たいって言ってたろ?」



そう言ってサンジは手鏡をナナミに渡した。



『あ…。私の目の色。』



サ「そう♪」



『他の物を見るのに夢中でまだ見てなかった…。』



ナナミはゆっくりと鏡を覗き込む。



『これがエメラルドグリーン。すごい色…。』



サ「やっぱキレイだよ♪ナナミちゃんの目。」



『なんか自分で言うのも恥ずかしいけどすっごくキレイ。これがお父さんが好きって言ってくれた目なんだ。サンジ君、ありがとう♪』



サ「どういたしまして♪」



『昨日ね、お母さんがお父さんの写真を見せてくれたんだ。それから今日は色んな物を見たの。村の人にも会って、それから私のために作ってくれた地面の溝とか、お母さんといつも買い物に行くお店とか見たの。世の中には色んな物があって色んな色があるんだね。もっと見てみたいって思っちゃった。」



サ「見に…いくか…?」



『え?』



サ「いや。なんでもねぇ。そろそろ寝るか♪」



『うん。』





翌朝。



ナミがクルー達を集めた。



ナ「そろそろログたまりそうだから各自、必要な物とかこの島で買っておく事。」



『そっか…。みんなもうすぐ行っちゃうんだね…。』




ナ「あんたも行く?」



『え…?』



サ「ナミさん!?いやそれは…。」



『私も行こうかな。』



サ「え!?」



『ダメ?』



サ「ダメじゃないけど…。」



『本当はね、そのつもりで家出てきたの。』



ナ「だと思った。一泊にしちゃ荷物多いし、もう使わないのに杖まで大事に持ってきてたから♪」



『バレてたんだ。』



サ「けど…お母さんはいいのか…?」



『うん…。最初はお母さん1人になっちゃうって思ってたんだけどね、お母さんが行きなさいって。村の人もいるし、お母さんはひとりぼっちじゃないから大丈夫だって言ってくれたの。」



ル「なら行こう!」



『でも、やっぱりお母さんがちょっと心配で…。』



「だから大丈夫って言ってるでしょ?」




『お母さん!?』



「ここまで来ちゃった♪ナナミに大事な事を言い忘れてたの。」



『大事な事?』



「お父さんからの伝言。」



『え…?』



「杖に大切な思い出を入れておいたからいつか自分で探しにいきなさい。って。あなたの目が治ったら伝えるように言われてたの。」



『杖に思い出…?』



ナナミは女部屋に置いてある杖を取りに行った。



ダイニングに戻ってくるなり真剣な眼差しで杖を観察した。



『お母さん。思い出って?』



「さぁ…。私にもわからないのよ。」



『う~ん…。』



フ「これじゃねぇか?」



『どれ?』



フ「ここに不自然な亀裂が入ってる。これは老朽とかでできるもんじゃねぇ。人為的な亀裂だ。」



そう言うフランキーにナナミがさらに杖をよく見ると確かに亀裂が入っていた。
ナナミは杖を引っ張ってみた。
が、抜けなかった。



フ「多分、簡単に外れないような仕組みになってんだ。貸してみろ。」



フランキーがよく杖を見る。



フ「こうだな。押しながら左に回して、一度引いてから右に回す。」



そうすると杖が亀裂から真っ二つになった。



『開いた!』



フ「これは伝統的な方法で寄木細工なんかで使われる技法だな。」



そう言いながらナナミに杖を返す。



杖の中は空洞になっていた。


中に指を入れるとテープで何かが固定されていた。



『何か入ってる。』



ナナミが取り出すとそれは1本の古いカギだった。



「まぁ!懐かしい!」



『このカギ知ってるの?』



「昔の家のカギよ♪あなたは覚えていないかもしれないけど生まれてしばらく住んでいたの。あなたの目の事を考えて田舎のこの島に引っ越して来たのよ。」



『そうだったんだ。』



「そこにきっとお父さんは何かを置いてきたのね。」



『何かって?』



「それは自分で確かめに行きなさい♪」



『……わかった。私、行く!』



そう言うナナミに母は嬉しそうに笑った。




『で?この家どこにあるの?』



「それも自分で探しなさい(笑)」



『えー!?この世界にどれだけの島があると思ってるの!?』



「だからこそよ。一つ一つを見て、世界をこの方達と旅したらいいわ♪」



『お母さんのイジワル~!…でも、私やる!絶対見つける!』



「ふふ♪強くなったわね。」




『そうかな?えへへ♪』



ル「よし!決まりだな!これからナナミは仲間だ!」



サ「じゃ、早速、歓迎会しないとな♪」



ル「宴だ~!」



『ありがとう♪ねぇ、お母さん。お母さんも一緒に海賊の宴に参加しよ!』



「あらあら、いいの?」



ナ「人数多い方が楽しいわ♪」



「では、お言葉に甘えて♪」



こうしてドンチャン騒ぎの1日が過ぎっていった。
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