その頃
サニー号ではクルー達がチョッパーの話を聞いていた。




ﾙ｢それじゃ、アイツはもう歌えねぇのかよ。｣



ﾅ｢そんな…。｣



ﾛ｢原因は何なのかしら？｣



ﾁｮ「それがわからないんだ…。喉に特に外傷はなっかたし、あと考えられるのは精神的なことしか…。」




その言葉を聞いてサンジは奥歯を噛みしめた。






ｳ｢でも精神的って具体的には何が原因なんだ？｣




ﾅ｢そうね～…。｣



クルー達が原因を考えていると不意にロビンが呟いた。



ﾛ｢虐待…とか。｣



「「「虐待！？」」」



ﾛ｢この前あの子とナミと一緒にお風呂に入った時いくつか傷跡があったのよ。｣




ﾅ｢確かに…。｣



ｿﾞ｢アイツは戦闘には参加しねぇし。｣



ﾌ｢ましてや歌手なんて職業をやってた時点でケガなんて滅多にしねぇだろう。｣




ﾌﾞ｢もしその話が本当なら彩夏さんは今頃…。｣



ﾅ｢まずいわっ！｣





クルー達の言葉にサンジの頭は次第に真っ白になっていく。




彩夏ちゃんが虐待…？
まさかそんなこと。



不意にサンジの頭に彩夏の最後の顔が浮かんだ。




まるで助けを求めるような目。
俺が触れたときの反応。

その翌日の作り笑顔…。



まさか恐怖心を悟られないためにあんな笑顔をしてたんじゃ…。




ｻ｢クソっ！｣





ﾅ｢サンジ君！？」




気づいたら俺は船を飛び出していた。


俺は場所もわからずに走った。




商店街でたまたますれ違ったおばさんに話を聞いた。




ｻ｢すいません！身長が150cmくらいで腰くらいまでの長い黒髪の女の子をみませんでしたかっ！？｣




「あぁ。ツル子さんのお孫さんの彩夏ちゃんね？あの子なら多分、家にいるよ。ここからまっすぐ行くと畑があるからそこの脇道に入ってすぐだよ。」



ｻ｢ありがとうございます！｣




走っている間
考えるのは彩夏ちゃんのことばかり。

あの日、君は必死に俺に訳を話そうとしてくれていたのに
俺は聞こうともしなかった。

勇気を振り絞って辛い過去を打ち明けようとしてくれたのに俺は！


クソッ！
俺は最低だ。
自分勝手に怒鳴りつけて
彩夏ちゃんを傷つけた。



どんな面さげて会ったらいいかわかんねぇ。

なんて謝ったらいいかもわかんねぇ。

けどちゃんと謝りたいんだ。
もう一度やり直したいんだ。

だから、頼む
無事でいてくれ！