『ん………。』



目を覚ますとそこは見慣れた病室。
視界には少し怖い顔をしたサンジ君がいた。


そうだ…私、階段から……。



『サンジ君………？』



ｻ｢ったく…。何やってんだよ。｣



『リハビリ…。』



ｻ｢一人で無茶すんなって言ったろ。｣



サンジはいつもより低い声で穂乃花に言った。



『無茶するつもりじゃ…。』



ｻ｢あの高さから落ちてたらどうなってた！ケガじゃ済まなかったかもしれねぇんだぞ！」




怒鳴るサンジに穂乃花は恐怖を覚えた。



『ごめ…んなさい…。』



ｻ｢一人で先に行かないでくれよ…。｣



『え……？』



ｻ｢穂乃花ちゃんが俺をおいてどこかに行っちまうんじゃねぇかって…怖かったんだ…。｣



『サンジ君……。』



穂乃花は柔らかく微笑むとゆっくり起き上がりサンジを包むように抱きしめた。


『私、幸せ。私をこんなに思ってくれる人がいてくれてすっごく幸せなの。』



ｻ｢穂乃花ちゃん。｣



『ごめんね。もう一人でリハビリなんてしないから。』



穂乃花はサンジからゆっくり離れた。



『私と一緒に歩いてください、王子様。』



穂乃花はサンジに笑顔を向けた。



ｻ｢かしこまりましたプリンセス♪｣



サンジは穂乃花の手を取り、二人で笑いあった。


それから他愛もない話をして少しだけ二人で歩いた。



ｻ｢なぁ、何でそんなに早く歩きたかったんだ？｣



『あのね、私…星が見たかったの。』



ｻ｢星？｣



『うん。流れ星が見たかった。もうすぐ流星群が来るんだって。だからそれをサンジ君と見たくて…。ただ見るんじゃなくて昔みたいに自分の力で屋上まで行きたかったの。』



ｻ｢そっか。じゃ、頑張らねぇとな♪｣



『サンジ君、私と星を見てくれる？』



ｻ｢もちろんさ♪｣



『嬉しい♪私、それまでいっぱい頑張って早く歩けるようになるから！』



ｻ｢無理するなよ？一人だと危ねぇし。｣



『わかった♪』



ｻ｢じゃ、また来るからな♪｣



『うん。またね♪』



穂乃花は笑顔て手をふった。



『よぉし！次にサンジ君が来るまで特訓だ！』



穂乃花が張り切っていると看護師が来た。



｢あらあら、今日はご機嫌ね♪何かあったのかしら？｣



『えへへ//ナイショ♪』



｢あらあら♪｣



『あ！お姉さんにお願いがあるの。』



｢なぁに？｣



『あのね………。』