サンジを医務室から追い出した…。


きっとサンジは気づいてる…。

サンジの顔を見ればわかる…。

でも今は言う訳にはいかないの…。

ごめんねサンジ……。







その日の夕方。



ﾁｮ｢ホントに行っちゃうのか？」



『うん…。短い間だったけど楽しかった。』



ﾅ｢元気でね…。｣



『うん、みんなもね！それじゃ。』



ミサキが船を降りようとすると後ろから声がかかった。



ｻ｢ミサキ。｣


『サンジ…。』



ｻ｢町まで送ってくよ。｣



『いいよ、一人で大丈夫。』



ｻ｢話があるんだ…。｣




『こ、このあとバイトで急いでるから……。明日、見送りに行くね…。じゃ…。』


ｻ｢ミサキ……。｣



私は逃げるようにその場を去った。



その日の夜。



ミサキが船を降りてからもミサキのことが頭から離れなかった。



なんなんだ…この胸騒ぎは…。
今すぐミサキに会いたい…。
ミサキに触れたい…。

ミサキ……。






その頃、町では。





サンジごめんね…。

サンジのこと大好きだから…
サンジには夢を諦めてほしくなかったんだ…。
サンジは優しいからこのことを知ったらきっと船を降りちゃう…。
それは嫌だから……。

サンジはサンジの道を行ってほしい…。



『サンジ………。』















外を見るとすでに明るくなり始めていた。



ｻ｢もうこんな時間か…。｣



いつものように朝食の支度をしてからしばらくするとナミさんとロビンちゃんがやって来た。




ﾅ｢今日は波もいいし昼前には出航できそうだわ。｣



ｻ｢そうですか…。｣



ﾛ｢コックさん元気がないようだけど…。｣



ｻ｢あまり寝れなくて…。でも大丈夫ですから。｣



ﾅ｢ミサキのこと…？｣



ｻ｢え…？あ…いや…。｣



ﾅ｢サンジ君…。ミサキのことだけど……。」



ﾙ｢めーーーしーーー！」



ﾅ｢ったくあんたは…。｣



ｻ｢もうすぐできるから待ってろ。｣



しばらくして他のクルーも集まり騒がしい食事が始まった。








ﾅ｢そろそろ船を出すわよ！」


ﾁｮ｢ナミ、ミサキがまだ……。｣



ﾅ｢あの子…来ないつもりなんだと思う…。｣



ﾁｮ｢ミサキ…。｣




そうして船はついに陸を離れてしまった。



ｻ｢………。｣



ﾁｮ｢サンジ…。｣



ｻ｢なんだ…？｣



ﾁｮ｢ゴメン。ミサキにサンジには言うなって言われたんだけど実は………。｣


と、チョッパーはサンジに全てを打ち明けた。


ｻ｢じゃぁ…アイツ見えなくなんのか…。｣



ﾁｮ｢うん……。｣



しばらくタバコをくわえたまま立ち尽くすサンジ。



と、そこへルフィの低い声が。



ﾙ｢サンジ。｣



ルフィは陸を見つめてサンジの名前を呼んだ。


ルフィの視線の先には小さくなっていくミサキの姿があった。



ﾙ｢お前このままでいいのか。このままミサキを置いていくのかよ。｣



ｻ｢………。｣



ミサキ…。

どうして俺には何も言ってくれなかったんだ……。

俺が心配するからか…？



ﾁｮ｢サンジ。ミサキはサンジのことを一番に考えてたんだ。病気のことを言ったらサンジは船を降りちゃうかもしれない。サンジに夢を諦めてほしくない。自分がサンジの重荷になるのは嫌だって…。だから言えなかったんだ。｣



ｻ｢ミサキ…。｣



俺はなんてバカだったんだ。
今更ミサキの気持ちに気づくなんて。

ミサキはずっと俺を一番に思っていてくれてたんだ。


ｻ｢フランキー！ミニメリー出してくれ！」



サンジは地下まで走りミニメリーに乗り込んだ。