俺は震える美希を優しく抱きしめそっと頭を撫でた。



しばらくすると腕の中でフッと力が抜けたのがわかった。


ｻ「美希…？寝てる…。怖くてあんま寝てなかったんだな…。安心しろ俺が守るから…。」

そう言って美希にそっとキスをした。









翌日


その日はいつもに増して忙しかった。


やっと仕事が片づいた時にはとっくに消灯時間をすぎていた。


ｻ「美希もう寝ちまったかな…」


そう呟きながら部屋を出て美希の病室へ向かおうとした時だった。
ドアが勢いよく開いてナースが慌てて入ってきた。

「サンジ先生っ！３０１号室の患者さんがっ！」


ｻ「どうした！？」


「見回りに行ったらベッドに大量の血がっ…！患者さんもいなくてっ…。」


３０１号室は美希の病室…。


俺は気がついたら病室に走っていた。


ｻ「美希っっ！」


そこに美希の姿はなく、床やベッドには鮮血が広がっていた…。


ｻ「美希…。一体何が起きたんだ…。」


ふと床を見るとポタポタと垂れる血が…。



その瞬間俺の頭によぎったのは美希に暴力を振るっていた男の存在だった。


ｻ「もしかしたら…。」


「サンジ先生…？」


ｻ「今すぐ警察呼んで！この院内に刃物を持ったやつがいる！」


俺はそう言って血の痕を辿って人のいない屋上へ向かった。