去年医大を卒業して医者になって１年の俺はいつものように慌ただしい日々を過ごしていた。



珍しく昼に休憩が取れたので休憩室で仮眠を取ろうとした時だった。


「サンジ先生！急患ですっ！」


ｻ「はぁ…。」

大きく溜め息ついて白衣を着た。



患者の元に向かった俺は目を疑った。



ｻ「美希…。」



そこにいたのは傷だらけで痛みに苦しむ美希だった。



美希は高校時代の彼女。
好きな人ができたと言われて別れた。



「…ンジ先生っサンジ先生っ！」



ｻ「あ、悪ぃ……どこが一番痛い？」




『お…腹……はぁっ…あぅぅぅっ！』



ｻ「すぐ鎮痛剤とエコー検査の準備して！」




数時間後。


落ち着きを取り戻した美希の病室。


『ん……。』



ｻ「目覚めた？」



『……！？』



ｻ「俺、わかる…？」




『サンジ……？』




ｻ「久しぶり。」




『うん…。』



ｻ「まだ起きない方がいい。」



『平気…。』




ｻ「…あのさ…。流産…してた…。」



『そっか…。』



そう言いながら美希はそっと俺の胸に顔を埋めた。