鋼の錬金術師(短編)
意外な事実と思うかもしれないが。
ウロボロス組で一番料理がうまいのはラストではなく、エンヴィーだった。
なぜかというと、姿を変えて潜入したとき、料理をしなくてはならない場面だってだてくるからだ。
恋人や、メイドに化ければなおさらで、人間を演じなくてはならないことには反吐がでる。が、
そうして磨いた料理の腕がお父様に気に入られると、話は別だった。
ラストに自分の方が料理がうまいと認めさせたのも自慢だったし、年長者のプライドもおいしいと認めるのだから、かなりの腕だと思う。
ラースが格式ばったフルコースにあきると、たまに芋の煮っ転がしとかリクエストされることもある。
いろんなところに侵入するたび、料理のレパートリーが増えた。
フルコースから大衆料理まで、何でもこなす自信がある。
ホムンクルスだろうが、人間だろうが、おいしいと言わせる自信があった。
ちゃんと栄養バランスも考えるし、食べやすさだって考える。
味の組み合わせとか、見た目とか、ちゃんと気を配っている。
そこまでしたのに。
捕まえた捕虜のマルコーが、一回もおいしいと言わなかったのが、
けっこう後々まで悔しかったのでした。
END
ウロボロス組で一番料理がうまいのはラストではなく、エンヴィーだった。
なぜかというと、姿を変えて潜入したとき、料理をしなくてはならない場面だってだてくるからだ。
恋人や、メイドに化ければなおさらで、人間を演じなくてはならないことには反吐がでる。が、
そうして磨いた料理の腕がお父様に気に入られると、話は別だった。
ラストに自分の方が料理がうまいと認めさせたのも自慢だったし、年長者のプライドもおいしいと認めるのだから、かなりの腕だと思う。
ラースが格式ばったフルコースにあきると、たまに芋の煮っ転がしとかリクエストされることもある。
いろんなところに侵入するたび、料理のレパートリーが増えた。
フルコースから大衆料理まで、何でもこなす自信がある。
ホムンクルスだろうが、人間だろうが、おいしいと言わせる自信があった。
ちゃんと栄養バランスも考えるし、食べやすさだって考える。
味の組み合わせとか、見た目とか、ちゃんと気を配っている。
そこまでしたのに。
捕まえた捕虜のマルコーが、一回もおいしいと言わなかったのが、
けっこう後々まで悔しかったのでした。
END