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鋼の錬金術師(短編)

父が死んだのは何年も前のことだったが、エリシアは父の墓参りを欠かす事がなかった。

とある年の父の命日…エリシアは一人で墓参りにやってきた。

花を携えて墓地に入ると、少し離れた所にいる男性が目に入った。

黒髪で背が高く、黒いコートを着込んでいて、とある墓標の前にじっと動かずに立っていた。

エリシアは邪魔をしては悪いと思ったが、男性につい目がいってしまい立ち尽くしていた。

ふと風が吹き、エリシアは風に乗ってきた男性の声を聞いた。


「この馬鹿者が…。」


死んでしまった人に対して馬鹿者呼ばわりするなんて…と、エリシアは思ったが、次の瞬間ハッとしてしまった。

男性の頬を一筋の涙が流れていったのだ。

エリシアは居ても立ってもいられなくなり、つい男性に近付きハンカチを差し出した。

「あ、あのこれ…使って下さい。

もしかして、大事な方がお亡くなりに為られたんですか?」

男性はこの時始めてエリシアに気付いた様で、はっとして顔を上げ、優しく微笑みかけてくれた。

「ありがとうお嬢さん。

…死んだのは随分前だが…

…忘れることなど出来ないものでね。」

男性はそう言うと踵を返して墓地から出ていってしまった。

そしてエリシアは気付いたのだ。


先ほど男性が立っていたのは

……父、マース・ヒューズの墓だということに…。

「じゃあ…あのひとは…」


そして同じ花の花束が並ぶ。



Fin




☆☆

むかーしむかしのデータがひょっこり出てきたので、のっけてみましたが…

恥ずかしっ!
なんだこれ!
でもせっかく一応書いたもんだし、恥を承知でのました。

あ、でも昔の僕がいくら熱気盛んな若造といっても、あとがきはこうでした↓

お粗末様でしたっっ!!!ごめんなさいっっ!!!


逃げとる!

散文を長々と読んでいただき、ありがとうございました。
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