脅威の侵略者編 第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
フットボールフロンティア、一年に一度行われる中学サッカー界の一番大きな大会だ。
血の滲むような努力を積み上げてきた選手たちはこの場で鎬を削り合い、勝利者を決める。中学サッカー界でのナンバーワンを決定するのだ。
その決勝戦の会場で、少女は一人の少年を見つめていた。会場の熱気と緊張から来る身体の火照りを感じる彼女は、片時も試合から目を逸らさずに、肩ほどまでの黒髪を右手で掻き上げる。左手に構えられたノートは力が籠められすぎているのか、微かに震えていた。
走ることを愛し、自らのスピードに誇りを持つ少女。その走る姿は風のようだと称賛された少女はひたすらにただ一人の少年を見つめ続けている。少女はその少年を心から愛していた。フィールドを駆ける彼の姿はまさに風、いや疾風と呼ぶに相応しいかもしれない。
彼女が走ることを愛し、速さに誇りを持つように……。
彼もまた走ることを愛し、自らのスピードを誇りに持っていた。