LOOP128
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∞
意味のなさない房事を終えて娯楽室を後にする。部屋まで送ろうかと提案した彼はすぐさま己の発言を訂正した。グノーシアだと決定している自分と一緒に居たら、ユキも人類の敵だと思われると。それはきっと沙明なりに気を遣ってのことであった。
とぼとぼと寂しく部屋までの道のりを歩く。彼が触れた感覚がまだ肌に残っている。ユキはその感触を噛み締めて己の腹を撫でる。その時彼女の前に人影が立ちふさがった。
「どこへ行っていたんだ、ユキ」
「……セツ」
「いや、違うな。誰と会っていたんだい」
ユキの余韻を醒ますには十分なセツの厳しい声が行く手を阻む。その表情は何もかも知り得ているのだと。ユキが今誰と何をしてきたのかも分かり切っている様子であった。セツが聞きたいのはその先だ、どうしてそのようなことをしたのか。ユキは柔らかに微笑みを浮かべて見せる。
「セツには関係ないんじゃないかな」
「私はユキを心配しているんだ。どうして沙明と……。ループを終えるための手がかりを探すためとはいえ、無理に身を捧げる必要なんてどこにもない」
「……彼は私に無理強いなんかしない」
行為を咎めようとするセツの言葉は彼女に響くことはない。それどころかますます屈折させるだけに等しい。ユキの瞳がセツの言葉によってすうっと細められる。無理に身を捧げた覚えなどない、彼の名誉のためにもそんなことは言わないでほしいと嫌悪感ばかりをユキは募らせる。
「……そんな心配いらない」
「ユキ……」
「放っておいて。セツにとっては無駄なことでも、私にとっては意味があることだから」
セツを振り払ってユキは廊下を進む。セツの心配はユキの神経を逆撫でした。一抹の不安がよぎったからだ。セツはループについての情報を集めるためにどこまで自分を犠牲にしているのだろう。汎の身でありながら、彼の欲求にどこまで答えたことがあるのか。
考えるだけで氷点下まで冷め切った気分になる。それは先ほどの彼の温もりが薄れて分からなくなってしまうほどに。
昨夜、グノーシアの襲撃によって
ユキが消滅しました