LOOP80
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議論一日目はユキの思う通りに駒を進めた。今回ループではユキ自身にも役職があり、そう簡単に議論の場から排除されることはなさそうだ。話し合いでの振る舞いも板についてきた。もしかしたら、この場で優位に彼を守ることもできるかもしれないとユキは考える。
夜時間、通例となりつつあるが彼の元を訪れた。上機嫌にユキを迎えてくれた当ループの沙明は、さほど彼女を嫌ってはいないようだ。ループをし始めた頃には初対面であるにも関わらず、沙明によく思われていないと感じることもあった。だからこそ、こうして彼が屈託のない笑顔を見せてくれると安心する。
「ようユキ先生、頼りにしてるぜ? 俺のこと、守ってくれよ?」
いつだって彼は調子のよい人だ。ユキを煽てる言葉を易々と口にする。彼の軽々とした部分は嫌いではないけれど。ユキは沙明の言葉に微笑んで、期待に応えることを誓って頷いて見せる。
心配しなくたっていつだってそうするつもりだと、彼に伝えられたらいいのにと思う。しかしそんなことをしたところで意味を持たないから、ユキは毎度の沙明との出会いを新鮮な気持ちで受け止めるしかない。
沙明と別れて部屋へ戻る。ベッドに向かう側ら鏡に映る自分の姿を見た。まだ沙明といた時の余韻を残して、口角が上がりっぱなしの自分がそこにいる。彼との時間を過ごせたときはいつも表情が柔らかな自分を見る。いつから自分はこんなに楽しげに笑えるようになったのか。
――――有利に動くために。まずは……。今晩も議論を優勢に進めるべく。LeViが投影した乗員名簿から、ユキは一人の名前を選びだす。
【今回はあなたが『エンジニア』です】