TURN0「プロローグ」
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[ちょっと桜…]
『ん?』
チラチラと周りを見ながら、ガールは耳打ちをするように桜に話しかける(常人には見えないが…)
[もうちょっと周りを気にしなさいよ…]
『え?なんで?』
ハァ~とため息を吐くガール
ただでさえ整った顔付きで人を惹き付ける桜
そんな彼女の満面の笑みを周りの受験生が目撃し、頬を赤く染めていることにガールは気づいていた
「なぁ、あの子可愛くね?」
「可愛いというより、美人じゃね?」
「もしかして、月坂桜?」
「まさか!伝説のデュエリストが、アカデミアなんか受験するか?」
「どっちでもいいよ!美人に変わりないし!」
ヒソヒソ話している周りの受験生達に、眉をピクリとさせるガール
不愉快な気持ちを振り切るかのように桜に怒鳴る
[だから!自分が美人だっていう自覚を持てってこと!]
『え~?私なんて美人じゃないよ…』
舞さんみたいな人を美人って言うんだよ、と呑気に答える桜に、再びため息を吐くガール
かなりの美少女なのだが、本人には全く自覚なし
これにはガールを始め、遊戯達も頭を悩まされた
[(遊戯に毎日桜のボディーガードを頼まれているけど、本人があれじゃあね…)]
桜を妹のように可愛がっている遊戯は、ガールに桜のボディーガードを頼んでいた
他人のことには鋭いが、自分のことには鈍感で天然な桜
今まで言い寄る男はかなりいたが、遊戯達といる時は彼らがデュエルで追い払い、一人の時はガールの注意、そして本人の天然な考えで退けてきたようなもの
[(遊戯達の元を離れたら、ますます危ないわ…特に遊戯はアカデミアの受験にかなり反対してたし、強引に説得したけどまだ納得してるとは思えない…でも私は桜の希望に従いたから…)]
心の中で葛藤と闘うガール
桜絡みとなると尋常じゃなくなる遊戯の性格の変化は、ガールにとっては恐怖だった
急に考え込むようなガールの顔を覗き込む桜
『ガール?どうし…』
ピンポンパーン
"受験番号1番 月坂桜さん"
桜の声は、受験を知らせるアナウンスによって遮られた
途端に真剣な表情になる桜に、ガールは微かに笑みを浮かべる
[今回は、私の出る幕はなさそうね]
『かもね…』
先程のデュエルを見た限り、桜は本気を出さなくても勝てることは明らかである
『でも、油断大敵!どんなデュエルでも全力で行くわ!』
[りょーかい!]
ガールには言わずとも伝わる
いざという時はよろしくということである
デュエルディスクにデッキをセットし、制服の下に身に付けているロケットペンダントを取り出す
『(行ってきます!お父さん、お母さん、レオ…)』
ペンダントの中には、両親と幼い桜が仲良く映る写真と、桜と弟のレオがダッグデュエル大会の優勝カップを持つ写真があった
ロケットを元に戻し、桜は立ち上がった
その瞳には、強い決意が宿っていた
『行くわよガール!』
[おー!]
ガールと共に、桜は試験フィールドに向かった
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