第一章 七不思議の後輩ちゃん
ねぇねぇ、こんな噂、知っていますか?
七霧学園を脅かす怪談『雨に誘う朱い傘』のお話を――
ある雨降りの放課後、とある女子生徒が傘を忘れてしまって昇降口で雨宿りをしていたそうです。
急な雨が多い季節。
貸し出し用の傘は常に少なく、その女子生徒は傘を借りることができなかったようです。
教室を出るのが遅くなった訳でもないのに、不思議と雨宿りをしているのは自分だけ。
雨音が響くだけの校舎に人の気配はなく、不気味な雰囲気です。
早く帰りたい……。
そう思った彼女に突然傘を差し出す人物が現れました。
――傘に入るか?
薄暗いせいで顔はよく見えなかったようですが、早く帰りたかった彼女はその方の傘に入って学校を出ました。
しかし、その傘は入ってはいけない朱い傘。
その傘に入ってしまった彼女は、二度と学園に姿を現すことはなかったといいます。
そんな噂の怪談を面白がって、雨の日の放課後を待つ生徒が増えました。
何人もの生徒が居るにも関わらず、怪談は生徒たちを連れ去っていきます。
そうして一人、また一人と姿を消していきました。
あぁ、今日も雨が降っていますね。
また一人、傘に誘われた生徒が姿を消したかもしれません。
七霧学園を脅かす怪談『雨に誘う朱い傘』のお話を――
ある雨降りの放課後、とある女子生徒が傘を忘れてしまって昇降口で雨宿りをしていたそうです。
急な雨が多い季節。
貸し出し用の傘は常に少なく、その女子生徒は傘を借りることができなかったようです。
教室を出るのが遅くなった訳でもないのに、不思議と雨宿りをしているのは自分だけ。
雨音が響くだけの校舎に人の気配はなく、不気味な雰囲気です。
早く帰りたい……。
そう思った彼女に突然傘を差し出す人物が現れました。
――傘に入るか?
薄暗いせいで顔はよく見えなかったようですが、早く帰りたかった彼女はその方の傘に入って学校を出ました。
しかし、その傘は入ってはいけない朱い傘。
その傘に入ってしまった彼女は、二度と学園に姿を現すことはなかったといいます。
そんな噂の怪談を面白がって、雨の日の放課後を待つ生徒が増えました。
何人もの生徒が居るにも関わらず、怪談は生徒たちを連れ去っていきます。
そうして一人、また一人と姿を消していきました。
あぁ、今日も雨が降っていますね。
また一人、傘に誘われた生徒が姿を消したかもしれません。