妖怪主のため、カタカナでの記入をオススメします。
第二章 小さな後輩
名前の変更
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翌日、ハナヲさんに連れられたフジヒメさんの姿がありました。
妖怪の姿ではなく人間の姿をされていたのは言うまでもありません。
隣のクラスなので、休み時間は会いに行きやすいです。
ただ――
「メリィくーん!」
「そんなに大きな声で呼ばないで下さいっ……!」
注目されるのが苦手なわたしの名前を大きな声で呼ぶので困ります。
けれど、嬉しそうに来てくれる彼女の姿を見ると無視することはできません。
「聞いてください! ハナヲさんに学園の中を案内してもらったんです」
彼女とは身長差が随分とあり、隣を歩くにはお互い顔を上げたり、下げたりと少し大変です。
「さっそく授業には出てないんですね……」
「朝のホームルーム? には出ましたよ。みんなが考えてくれた名前を呼んでもらいました!」
「それは良かったですね……」
「で、学園探検の方なんですけどね」
そう言うとフジヒメさんは楽しそうに見てきたことを話してくれました。
始めに旧校舎に行ってヒフミさんとかくれんぼを楽しんで、ヒフミさんも加わって今度は体育館へ。
トネリさんと会って、トネリさん、ヒフミさん、フジヒメさんの三人でバスケをして、次は四人で理科室に。
ザクロさんはうんざりされたようですけど、何だかんだついてきてくださったようです。
続いては保健室に。イリヤさんに絡まれそうになったのをヒフミさんたちに助けてもらったんですね。
その後、音楽室でアラハギさんのピアノに合わせて歌って、図書室で本を借りて。
最後に屋上でウタシロさんに本を読んでもらいながらお昼寝を全員でしたようです。
「随分と盛りだくさんでしたね……。わたしもご一緒したかったです……」
まさか、わたし以外の全員が一緒だったとは……。
仲間外れにされているとは思いませんが、少し悲しいです。
足下の廊下を見ていると、フジヒメさんが視界に入ってきました。
「メリィくんの所にはこれからです。お昼の放送をするんですよね? みんなからカッコいいよって教えてもらっています!」
藤の妖怪さんらしく花が咲きそうな笑顔を見せた彼女でしたが、わたしは慌てました。
「放送しているわたしを見に来るんですか……!?それは困ります……! 恥ずかしくて放送できません……!」
「大丈夫ですよ! メリィくんの声をみんなに聴いてもらえるよう私の妖術で響かせますから!」
「それではもっとできませんよ……!」
両手で顔を隠し、隣の同級生を見ると、変わらず彼女は花がほころぶ顔をしていました。