妖怪主のため、カタカナでの記入をオススメします。
第四章 昇降口に響く声・その後
名前の変更
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ねぇねぇ、知っていますか?
最近、怪談になった噂『昇降口に響く声』の続きを――
「今日もキレイに咲いてんな」
「ゴミのポイ捨てもすっかりなくなったね」
「自主的に清掃活動をしている生徒をよく見かけるねぇ」
「おかげであの面倒なゴミ拾いや掃除をしなくてすむな」
「それに今じゃ、七霧学園の人気スポットだし!」
「男子も女子も恋人たちも……いつ見ても人が居るよなー!」
中庭の藤棚。
そこには、人間のことが好きな妖怪が住んでいて、いつも見守っているそうです。
最初は人間を恨んでいると怖れられていた場所でしたが、その噂が流れて、生徒さんたちが来るようになりました。
最近ではまた違う噂が広がったようで、今ではちょっとした七霧学園の人気スポットになっています。
「片想い中の方々からの人気も上がっているみたいですよ」
「噂になっているよね。片想いの相手が良い人かどうかってやつ」
「はい……。何でも藤棚の下で片想いの人と来た時、良いことがあったらその方は優しい人。もし悪いことが起こったら何か好くないことをしている人。と言われているそうです」
「まあ……悪いことが起こっても、そいつがほんとうに悪いやつかはわかんねぇよな」
「でも確実に、フジヒメにとって嫌なやつってことはわかる」
片想いじゃなくてもいいです。
もし気になる人ができたなら、その人と一緒に藤棚の下に来てください。
その人がステキな方なら喜びを、イヤな方ならちょっとした悪戯を添えてお答えします。
……私基準ですけど、結構当たると評判なんですからね。
「そんで、あいつは何処に居るんだよ?」
「彼女なら今日も藤棚に居るよ。何でも告白をするって子が居るらしくて。メリィくんのクラスの子だって言ってたかな?」
「はい。わたしとフジヒメさんとでオススメですよってお教えしたんです」
「もう自分から売りこんでじゃねーか……」
「しっかりしてるねぇ」
「で、相手のやつは?」
「そうですね……きっと合格だと思います」
今日も藤棚には多くの生徒さんたちが来ます。
休憩に、語らいに、逢瀬に、告白に。
「……ほんとうにあの子は、人間が好きだね」
あなたが優しくてステキな人ならば、私も藤の木もあなたを歓迎致します。
……悪い人なら気を付けてくださいね。
いくら人間が好きだと言っても妖怪なので、悪戯しちゃいますよ。
「ふふ、今日も賑やかですね」
今夜も昇降口に声が響きます。
中庭の藤は楽しげに揺れました。
~Fin.~