妖怪主のため、カタカナでの記入をオススメします。
第四章 昇降口に響く声・その後
名前の変更
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同級生で後輩の彼女はこの日も忙しなく動いていました。
新しい怪談を広めるために。
『昇降口に響く声』の主である彼女は自身の怪談が少し気に入らないようです。
お化けではなく、木霊です。
恨んでいるんじゃなくて、怒ってるんです。
人間は好きなんです!
と、怪談を話す生徒を見つけては訂正のために学園中を走り回っています。
「まーた、君は! いくら妖力が安定してるからって学園中に声を響かせるんじゃない!」
「まだ、頭ん中……ぐるぐるする……」
「頭痛ぇ……」
「にゃ~……気持ち悪い……」
あまり力の使い方に慣れてないせいか学園中に妖術で音を響かせて、ウタシロさんに怒られている姿がありますけどね。
耳のいいトネリさんやザクロさん、アラハギさんはいつも大変そうです。
校舎の中にいるので余計ですね。
急にくるので対策も難しいようです。
イリヤさんやハナヲさんは妖術を使って対策をしているようですし、わたしやウタシロさんは防音設備や屋外で、ヒフミさんは建物が離れてますから被害が少ないです。
「うう……ごめんなさい……」
基本的にフジヒメさんはとても素直でいい子なので、すぐに反省して謝れますし、これ以上怒られることはないです。
「オレも風を使って音や声を響かせられるし、今度一緒に練習するか?」
「いいんですか?」
ですが妖術、妖力の使い方については勉強中です。
「おう。後輩の面倒を見るのは先輩の仕事だろ? それに、音を響かせる以外にも何かできるかもしれねーぜ」
「はい! ありがとうございます!」
このやり取りを見て一体何人の先輩方がヒフミさんを睨んだことか……。
羨ましいです。
結果から言えば、ヒフミさんとの練習も怪談の訂正も成果はありました。
怪談は、お化けではなく妖怪が住んでいて、その妖怪は人間が好きと訂正されていました。
木霊とは浸透しなかったようです。
虫や雨露を落とす話もありましたが、そういう人は何かしら悪いことをしていた方ばかりのようで、人間診断と密かに噂になっています。
練習の方は、トネリさんたちへの被害が減ったことでしょうか。
「メリィくん、助けてください!」
「へ!? フジヒメさん!?」
「フジヒメー!」
「トネリさんに……ヒフミさん! 大丈夫ですか!? 一体、何が……」
「おまえなー、どうやったらヒフミを気絶させるんだよ!」
「わざとじゃないんです! ちょーと力加減を間違えてしまって!」
減っただけで、なくなったわけではありません。
まだまだ練習が必要なようです。