妖怪主のため、カタカナでの記入をオススメします。
第三章 昇降口に響く声・出現
名前の変更
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「さあ、この子たちに用があるなら、まずはこの俺を倒してからにするんだなっ!」
メリィくんとフジヒメちゃんの前に立ち、鴉くんと狗くんと対峙する。
手にはエクスカリバー――トイレブラシ――を装備して。
もちろんまだ使っていない新品さ。
「なっ!? ハナヲを味方につけるとかありかよ!」
「ぐぬぬ……あいつの相手疲れるからイヤなんだよなー……」
「どうしたんだい、二人とも? 来ないなら俺からいかせてもらうよ!」
「うわっ!?」
「あぶねっ!」
文句を言いながらも俺の攻撃を避けた二人。
なかなかやるね。
俺の後ろではフジヒメちゃんとメリィくんがいつの間にか小さな姿になって遊んでいる。
ちなみにさっきまで一緒にいた獏くんと狐くんは猫くんと蛇くんを呼んでくるとかでいない。
「くぅーん……面倒くせぇ……」
狗くんは相変わらず分かりやすく耳と尻尾が下がってる。
「やめたやめた!」
そして、ポンッと子犬の姿になると俺の横をすり抜けてそのまま後ろへ。
「なあなあ! おれもまぜてくれよ!」
「なんでそうなんだよ!?」
「いや、だって……ハナヲの相手疲れっからさー」
「狗くんの変わり身の早さはスゴいね。鴉くんはどうする?」
「ぐっ……オレもやめたっ! ……なあ、もう追いかけねーから一緒に遊ぼうぜ」
ポンッとチビガラスになった鴉くん。
俺の周りはいつの間にかチビ妖怪たちばかりだ。
鴉くんがフジヒメちゃんを背中に乗せたり、狗くんがメリィくんにじゃれたり……うん、可愛い。
「何をやってるのさ……」
「賑やかだねぇ」
「楽しそー! ……にゃっ! ボクも入れてよー!」
「おい危ねぇから足下で遊ぶんじゃねぇ!」
そこに獏くんたちが戻ってきて、蛇くんと猫くんも一緒に来た。
猫くんは猫の姿になると鴉くんたちに混ざって遊ぶ。
俺たち妖怪には人間のように小さい時がない。
生まれたときからこの姿で、親と呼べる者や血の繋がった兄弟という者もいない。
人間たちに傷つけられた過去を持つ妖怪ばかり。
けれど俺たちは互いに――言わないけれど――気にかけて、気をかけられて、助けて、助けられて、この学園で過ごしている。
それは、ある意味人間でいうところの家族や兄弟に俺たちは密かに憧れていて、模倣しているんじゃないかなと思う。
でも、いつか七霧学園を離れても妖力を保っていられるほど強い想いを寄せてくれる存在が現れて、結ばれたその縁の先に本当の家族と呼べる人や彼らの幸せがあることを……俺は信じている。