妖怪主のため、カタカナでの記入をオススメします。
第二章 小さな後輩
名前の変更
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「……」
「……」
「おまえら、顔こえーよ……」
「にゃー……でも気持ちはわかるよ……」
「これはあまりにも酷いねぇ」
「休みの間ほとんどしてたんだろ? なのに……」
「またゴミが捨てられているとは、ね」
「誰だよっ! ゴミを捨てる奴は!!」
「全くだよ……! 僕たちがどれほど面倒なこと――ああ、いや……フジヒメのことを思うとやらなくてはいけない大事なことだった。……君が気にすることはないよ」
「一体、誰がいつ捨てていってしまわれるんでしょうか?」
休みが明けて、また賑やかになっていた学園。
いつもの日常が戻ってくる。
一度はなくなった藤棚のゴミだったが、学園が始まると再び捨てられていた。
「しかも陰湿になってきてないか、これ?」
ゴミはベンチの上から始まり、地面に落ち、今や藤の根元――パッと見ただけじゃわかんねーような場所――に落ちている。
わざとじゃねーと、そんなところにゴミはいかねーよな。
口がなくて喋らんねー木霊。
おまけに恐くも何ともないふわふわの見た目。
いくらフジヒメがゴミを捨てていく人間たちを見ていても、何もできないんじゃ意味がない。
「んー、これはそろそろ俺たちの出番かな?」
みんなが落ち込んでいく中、ハナヲが声をあげた。
「? 何か良い案でもあんのかよ?」
「まー、お兄さんに任せてよ! あ、皆の協力が必要だからしっかり聞いてね」
そう言って何処からか出してきたホワイトボードにハナヲの字が並んでいく。
何かいろいろなことを言ってっけど難しい話が苦手なおれにはさっぱりだ。
「んん、んー……んん?」
訳がわからなくて唸っていると頭の上に軽い衝撃がくる。
「フジヒメ?」
おれの頭から手の中に落ちてきたのはフジヒメだった。
なんか、こいつ、のんびりしてるよなー。
「おれたちはおまえのことで苦労してんのに」
つんつんと小さなからだをつつけば、怒ったようで少し膨らんだ。
それが面白くなって遊んでたらザクロに怒られた。
「おいこら犬。何遊んでんだよ……!」
おまけにフジヒメまで取られる。
「むー……だってさー、難しい話はよくわかんねーんだ」
「これだからバカ犬は……」
「あはははは。狗くんには難しかったか」
「なあ、ハナヲ。もーちょい簡単に言ってくれよー」
「分かった、分かった。そうだね、簡単に言うと、噂を流すんだ」
「噂……?」
「そう噂。彼女の噂を……ね」
パチンとお片目を瞑ったハナヲにおれとザクロの手の中にいるフジヒメは首を傾げた。