序章
名前変更
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両親は、私なんか眼中になかった。
なんにも取り柄がない私なんかに興味を持つわけがなかった。
私には居場所がなかった。
学校でも、居場所なんてない。
そんなある日、兄の名無しが医者であるお父さんの後を継ぐために海外へ旅立った。
唯一の救いがいなくなった。
名無しでもお父さんには逆らえなかった。
名無しが留学してもうすぐ2年になる時、両親は長期休暇を取って旅行へ行った。
*****
ある日、私が学校から帰ってすぐに電話がかかった。
《名前ちゃん?》
《…おばあちゃん、どうしたの?》
《落ち着いて聞いてね–––》
話の内容は、旅行先の事故で両親が帰らぬ人になったということだった。
それを聞いても涙は流れない、悲しいとは思わなかった。
《………》
《名前、神奈川においで…》
祖父母は神奈川で和菓子屋を営んでいる。
小さい頃によく家に行ってたけど、大きくなってからは電話でしか会話をしたことがなかった。
でも、いつも優しく接してくれていた。
《神奈川…?》
《急な話だけど、どう?》
《っ…か、神奈川だったら、嫌な思いしなくて、いい…?》
大好きなおばあちゃんに会えると思ったら涙が溢れた。
《また、一緒に和菓子作ろ?》
《うん…!》
私の神奈川行きが決まった。
そして私は立海大附属中学に通うことになった。
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