11章
名前変更
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パコーン パコーン
朝からいい音が鳴り響くテニスコート。
名前はベンチに座って目を擦りながら見ていた。
蒼「もしかして寝不足?」
『色々やってたら、寝るの遅くなっちゃって』
さっきから何回も欠伸をしている。
それにつられて蒼も欠伸をした。
幸村「じゃあ、眠気覚ましに俺とテニスしないかい?」
『やります!』
元気よく返事をして部室に向かった。
とある国際空港––––
英語で電話をしている一人の少年。
?〈今着いたからな〉
〈はぁ、君がいなくなると寂しいよ〉
?〈日本に来たらどう?〉
〈あはは、それは無理だね〉
?〈悪いな任せてしまって〉
〈いやいや…君もやっと自由を得たんだから楽しめよ〉
?〈うん。ありがとう〉
〈妹ちゃんに、よろしく伝えてくれ。じゃあな……名無し〉
名無し「ああ…さよならだ……」
思い残すことはもうない
これでやっと会えるんだな…
名無し「あ、一応…
*****
朝から眠気覚ましにと運動をしたが眠いままで、授業中に寝そうになったり階段から落ちそうになったりと危うい一日を過ごした。
柳「大丈夫か?」
『まぁ、なんとか』
蒼「見てて心臓に悪かったよ!」
『あはは、ごめんね』
幸村「今日は休んだ方がいいよ」
『え、でも部活は?』
幸村「これは部長命令だよ」
素直に家に帰ることにした。
携帯に電源を入れると着信が何件かあり、中には名無しからのメールと電話が入っていた。
すぐに立ち止まって電話をかける。
「あの人超カッコいい!」
「誰か待ってるのかな?」
「誰か話かけてみようよ!」
そんな黄色い声を横目に名無しが出るまでかけ続ける。
やっと繋がったところで目の前に一つの影を捉える。
『あ……』
名無し「名前!」
目の前にいるのは紛れもなく兄の名無しである。
声より先に身体が動きだして名無しに抱きつく。
名無し「……っと、よしよし」
抱きついて泣きじゃくる名前の頭を優しく撫でる。
『もう、独りに、しないで!!』
名無し「ごめんね…」
霧島「あー!女の子泣かしてるー!」
名無し「む…見なかったことにしてくれ」
霧島「え、無理だなぁ、この目で見てるし」
『名無し……』
さっきよりは落ち着いたようで、涙目ではあるが名無しを見上げた。
名無し「ん?だいぶ落ち着いたか?」
指で流れそうになっていた涙を拭う。
『おかえり』
名無し「…ああ、ただいま」
霧島「おぉ…感動の再会ってやつね。俺泣けてきたよー」
名無し「るせー!邪魔すんじゃねぇ」
倉田「悪い、遅れた」
生徒会の雑務をやっていて遅れていた倉田が走ってきた。
よし、揃ったな、と言って名前の手を引いて歩きだす名無し。
『え、どこ行くの?』
名無し「家だよ」
霧島「お祝い?かな」
名無し「よく言うぜ。料理作るのは俺だっつーの」
『わ、私が作る!』
名無し「お、マジで?じゃあ、俺の好物作ってよ」
『うん!』
スーパーに寄って材料やお菓子を買った。
家について真っ先に台所へ向かった名前。
その様子を見た霧島が真剣な顔で名無しを見た。
名無し「どうした?拓斗」
霧島「生徒会長がついに不良になったなって思って」
茶髪でおまけにピアスをして日本に帰ってきたのである。
名無し「それ、真剣な顔で聞くことかよ」
てか、これ地毛だよ!と元気よく返す。
霧島「いや、本題は名前ちゃんのことだけどさ──」
*****
台所からいい匂いが漂って食欲が出てくる。
『お待たせしました』
名無し「おぉ!うまそう!」
霧島「早く食べよ!秀也、お皿!」
倉田「おう」
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