8章
名前変更
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~蒼side~
放課後、蓮二に呼ばれた。
蒼「珍しいね」
名前ちゃんのことだろうと私は思った。
だって、知ってるのは蓮二と私だけ。
柳「蒼はどこまで知っているんだ?苗字のこと」
名前ちゃんのこと?
本人が教えないってことは、知られたくないってことだよね。
蒼「逆に、蓮二は知ってるの?」
質問を質問で返してみた。
蓮二は知ってるよね。
いろんな人のデータ取ってきたんだもん。
柳「ああ、知っている」
蒼「プライベートとか…?」
知りたい。
名前ちゃんのこと、もっと知りたい。
柳「ああ…だが、俺の口からでは言えない」
蒼「…え?」
柳「そういうのは、本人から聞くことだな。言えば、教えてくれるはずだ」
蓮二がそう言うんだから、教えてくれるかな?
臨時の部活が終わったら聞いてみよう。
蒼「蓮二」
柳「どうした?」
蒼「いつか…みんなに言わなきゃいけない時がくるよね」
R陣みんなが、名前ちゃんのこと心配してる。
名前ちゃんも少しずつ慣れてきて、前より笑えるようになってる。
柳「そうだな…そろそろか…」
蒼「うん…」
知らなきゃ、守れないものだってある。
名前ちゃんと私って……
友達だよね?
蓮二と話していたら、臨時部活が終わっていた。
顔を出しそこねて、私は教室にいた。
『蒼ちゃん!』
蒼「名前ちゃん!ごめんよぉ!」
私は名前ちゃんに言い訳をした。
蓮二と話したあと、先生に呼ばれた、と。
『忙しかったんだね』
蒼「うん…」
名前ちゃんに申し訳なかった。
でも、知りたいことをちゃんと聞かないと!
『蒼ちゃん…あのね…』
*****
まさか、名前ちゃんから言われるとは思ってなかったな。
暗い話じゃないといいけどね。
蒼「臨時部活はどうだった?」
『みんなで打ち合いをしたよ』
蒼「結局全員でやったんだね」
私はそんなことを聞きたいわけじゃない。
言わないと。
『蒼ちゃん…』
蒼「……!!」
急に名前ちゃんの元気がなくなった。
『蒼ちゃんは……いなく、ならないよね…?』
不安げに私を見つめる。
今にも泣きそう。
私より、名前ちゃんが……
いなくなりそうだよ……
私は力いっぱい名前ちゃんを抱きしめた。
蒼「大丈夫!安心して…大丈夫だから」
『蒼ちゃん…わ、私、さみしくてっ』
名前ちゃんって……
もしかして……
『もうすぐ、帰ってくるって言ってるけど……いつになるかわかんないよ!』
帰ってくる…?
誰かどこかに行ってるの?
蒼「名前ちゃん!私に教えて欲しいの!お願い!」
なんで私が泣いてるの?
泣きたいのは名前ちゃんの方なのに。
『いや』
蒼「え…?」
『だめ…蒼ちゃんだけじゃなくて!
名前ちゃん……!
蒼「いい子だね…」
まだ私の腕の中にいる名前ちゃんの頭を撫でた。
だめだ…私が支えてあげないと!
~蒼side 終~
幸村「……」
階段を下りる音だけが寂しく響いた。
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