8章
名前変更
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目が覚めて時計を見ると、目覚ましが鳴る30分前だった。
『……起きよ』
目覚ましを止めて大きく背伸びをした。
『あれ、今日、朝練……?』
まだ寝ぼけている様子だった。
早く起きたので、学校に行くことにした。
学校に着いてテニスコートに行くと幸村がいた。
名前は逃げるように教室へ行こうとしたら、
幸村「苗字さん」
『っ…!!』
見つかってしまった。
幸村「おいでよ」
手招きするので近づくと、テニスラケットを渡された。
幸村「テニスできるかい?」
『少し…』
幸村「じゃあ、付き合ってよ」
二人とも制服だったが、そんなのはお構い無しにテニスコートに入った。
幸村「それじゃあ、いくよ」
打ち易いボールを打ってくれた。
『えいっ』
幸村「うん、悪くない」
今度は少し速いボールで打ち返されたが、返すことができた。
打ち合いをすること数分、気づけば周りにはギャラリーがいた。
丸井「お、苗字じゃん!」
仁王「楽しそうじゃのう」
柳「ほう…やるじゃないか」
蒼「名前ちゃんが仲良くやってるぅ…!」
一人だけ、涙ぐんでいた。
それを見た幸村は、
幸村「気持ち悪いよ。」
と、どこか黒い笑みを浮かべた。
『蒼ちゃん?』
蒼「精市がいじめてくるよぉ」
幸村「いや、俺は本当のことを言ったまでだよ」
『…だそうです』
蒼「名前ちゃんは、誰の味方なの?!」
幸村「蒼以外の味方だよ」
精市のバカ!と言って、名前に抱きつく。
丸井「苗字!放課後俺とやろうぜぃ!」
仁王「ずるいぜよ」
柳「俺も参加させてもらおう」
幸村「じゃ、俺も」
蒼「精市、さっきやってたじゃん!」
幸村「運動音痴は黙ろうね」
蒼「ハイ」
なんだか楽しいな…
そう思っていると、涙が出てきた。
幸村「苗字さん?」
『あ、ごめん…こんなに楽しく感じたの、初めてで…』
涙を拭い、ありがとう、と満面の笑みで言った。
『え?本当にいいの?』
幸村「ああ、いいとも」
『ありがとう…大切にするね』
幸村からラケットとボールを貰い大事そうに抱きしめる。
蒼と柳は離れたところで会話をしていた。
蒼「何してるの?」
柳「苗字の新しい一面を見たからな」
ノートにメモを取っていた。
蒼「精市には…まだ、話してないよね…?」
柳「ああ……それに、本人から口止めされている」
蒼「そ、そうだよね…」
今にも泣きそうにしていた蒼の頭に手をぽんっと乗せた。
柳「そんな顔をするな」
蒼「うん…」
柳「お前が苗字を支えてやれ」
蒼「蓮二…!」
わかった、と言って、名前の元へと走っていった。
柳は蒼と楽しくやっている名前を見ていた。
柳「一人で抱え込むな…」
そうポツリと呟いて、一人校舎の方へ歩いていった。
その姿を名前は見ていた。
『?』
丸井「おーい、苗字ー?」
『あっ、はい!放課後だよね?』
丸井「おう!」
仁王「約束ぜよ」
放課後に打ち合いをする約束をして、各自教室へ向かった。
*****
約束の放課後になって、名前たちが教室で準備をしていたら柳が入ってきた。
柳「蒼…ちょっといいか?」
蒼「うん。ごめん、先行っててね」
『うん』
二人は教室を出た。
少ししてから赤也が教室に来た。
切原「名前先輩!みんな待ってるっスよ!」
『あ、ごめん、今行く…!』
慌ててテニスコートへ向かった。
みんなは集合時間より少し早く集まっていた。
幸村「急がせちゃったね」
『いえ…』
真田「蒼と蓮二はどうした」
『あ、二人は遅れるそうです…』
幸村「まぁ、今日は臨時だからね」
丸井「それより、早くやろうぜぃ!」
結局は柳を除いたR陣ですることになった。
外野からのブーイングはあったものの、名前は楽しく打ち合いをしていた。
『ふぅ…』
切原「名前先輩!今日は楽しかったっス!」
丸井「いつの間に、名前で呼ぶようになったんだよぃ!」
切原「気づいたら名前で呼んでたっス」
丸井「俺も今日から名前で呼ぶ!」
仁王「俺も名前で呼ぼうかのう」
『…ど、どうぞ』
少しずつ、少しずつ…慣れてきたら必ず、私もみんなを名前で…呼びたい…!
幸村「それなら明日から、お昼一緒に食べない?」
部活以外でも、一緒に過ごすことになった。
過ごす時間がたくさんあることで、楽しい時間もたくさんあるということを改めて実感した名前だった。
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