7章
名前変更
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休日は何もすることがなく、ベッドの上でゴロゴロしていると、インターホンが鳴った。
『誰かな?』
モニターを見ると、
蒼「名前ちゃーん!」
『蒼ちゃんだ』
玄関に行き、ドアを開けた。
『どうしたの?』
蒼「あれ、私メールしたよ?」
『あ…電源切ってた…!』
とにかく蒼を入れて部屋に案内した。
蒼「広っ!すご!」
子供のように目を輝かせていた。
キョロキョロしながら名前の部屋に向かっていた。
後で家全体を案内する約束をした。
『ちょっと待ってね』
急ぎ足で台所へ行ってお茶とお菓子を探した。
蒼「……よし!」
自分の携帯を開いて誰かに電話をした。
『お待たせー』
蒼「和菓子!?すごーい!」
『試食してみてよ』
蒼「また、新作できたの?」
和菓子を眺めてから、ぱくりと一口で食べた。
蒼「うまっ」
『今回は、私が作りました』
蒼「え!マジで?」
おかわり、とお皿を名前に渡した。
ピンポーン
『ん?』
蒼「意外と早かったな」
『誰か呼んだの?』
蒼「行ったらわかるよー」
とりあえず玄関に行くことにした。
まず、モニターを確認してみると、画面全体に黒いものが映っていた。
『ん?サクラ?』
幸村「やっぱり、苗字さんの猫だったんだね」
モニター越しに聞き覚えのある声と、サクラの鳴き声が聞こえた。
ガラッ
蒼「お早い到着で」
幸村「蒼が早く来い、て言うから」
サクラの顎を撫でながら言う。
『(サクラが、懐いてる…)』
じっとサクラを見つめていると、にゃー、と鳴かれた。
部屋に案内してから台所で和菓子を作っていると、またインターホンが鳴った。
今度はモニターを見ずに玄関を開けた。
丸井「よ!」
柳「蒼に呼ばれて来た」
名前の部屋が賑やかになった。
丸井「もらい!」
蒼「あ!こら!私の和菓子!」
『作ればまだあるよ』
欲しい、と言われて作りに台所へ行った。
蒼「私も行く!」
蒼も台所へ行き、一緒に和菓子を作ることになった。
『こうやると……はい、ウサギさん』
蒼も真似して作る。
時間を忘れて和菓子作りに没頭していた。
幸村「楽しそうだね」
丸井「甘い匂いがするぜぃ!」
『あ、みんな…』
蒼「じゃーん!ほら、見て見て!私が作った和菓子だよ!」
柳「ほう…」
丸井「俺、苗字が作ったやつがいい」
名前が作った和菓子を一つ取って食べた。
幸村「俺も苗字さんのをもらうよ」
蒼「え、蓮二も?」
柳「心配するな。蒼のもちゃんともらう」
蒼の作った和菓子は、名前の部屋に戻ってからお茶と一緒に四人で食べた。
最初は意外な訪問者に驚いた名前だったが、和菓子をきっかけに楽しく過ごすことができた。
丸井「苗字はなんでも作れるんだな」
幸村「お茶も和菓子も美味しかったよ」
柳「また作って欲しい」
『いつでも作るよ』
玄関まで見送った。
蒼「また教えてね!」
『うん!』
皆に笑顔で手を振った。
だが、一人だけ帰らずに立っていた。
『幸村くん?』
幸村を見上げ首を傾げると、手が伸びてきてそっと頬に添えられた。
幸村「やっと、笑ったね…」
『え……』
幸村「君の笑ってる顔が好き」
そう言うと、名前の頭を撫でて帰っていった。
『前にも…同じこと言われた…』
添えられていた頬に手をやって、ずっと立っていた。
『……』
電話の鳴る音で我に返った。
『あ、電話!』
相手に驚いた。
『名無し!』
《電話来なかったから、こっちからした》
『ごめん、忙しいと思って』
《忙しくないよ》
久しぶりに兄の声が聞けて名前はとても喜んでいた。
《なんか、いいことあった?》
『うん、たくさん』
《じゃあ、俺からもっといい知らせね。近々
『ホント!?早く帰ってきてね』
《うん。また連絡するな》
会話が終わってしまうと寂しくなるが、楽しみができた。
毎日が楽しくなるような気がした。
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