6章
名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
名前はあれから体調を崩して学校を休みがちになった。
真田「今日も苗字は休みなのか」
蒼「うん…」
昼休みはR陣と屋上で集まるようになり、名前について話すことが多くなった。
丸井「蒼は何も聞いてないのか?」
蒼「聞けるわけないじゃん」
仁王「心配じゃのう」
幸村「こう何日も休まれるとね…」
楽しい昼休みも楽しくなくなってくる。
蒼「蓮二」
柳「どうした?」
蒼「ファンクラブ会長、白鳥 杏奈のデータある?」
柳「苗字と関係あるのか?」
蒼「あいつの評判、あれでも悪いんだよ…!」
その声に怒りを感じた。
蒼は珍しく怒っていた。
柳「白鳥 杏奈…元財閥の娘で、梓と言う姉がいる」
切原「財閥?」
幸村「財閥って言ったらあの人だよね」
あー、と全員が声を揃える。
蒼「あの人に聞いたらわかるかもね!」
幸村「近々、合同合宿があるから、その時に聞こうか」
蒼「なんか、ごめん…みんな巻き込んじゃって…」
丸井「気にすんなよぃ!」
切原「そうっスよ!」
そう言われて、蒼の表情がぱあっと明るくなった。
蒼「ありがとう!」
******
夕方になって、名前は近くの公園のベンチに座っていた。
『また、休んじゃった…』
はぁ、とため息を吐いて茜色の空を見上げた。
切原「幸せが逃げるっスよ」
『っ!?』
逃げようとしたが、腕を掴まれた。
切原「なんで逃げるんスか?」
『ごめんなさい…』
切原「なんで謝るんスか?」
『……』
切原「みんな心配してるっスよ」
名前の目から涙が溢れてきた。
『きりっ、はらくん…』
切原「名前先輩…」
そっと、名前を抱きしめた。
その様子を遠くで見ている陰が三つ。
茂みに隠れていた。
蒼「あのワカメやるじゃん」
柳「赤也は男として見られていないようだな」
幸村「赤也を行かせて正解だったね」
蒼「キスとかしないよねぇ…?」
幸村「そんなことはさせないよ」
久しぶりに黒く笑う幸村を見た気がした二人だった。
赤也は名前が泣き止むまで抱きしめていた。
切原「少しは楽になったっスか?」
『うん…ありがとう』
潤んだ目で赤也を見た。
切原「そ、それは、良かったっス!//」
『?』
慌てる赤也に首をかしげる。
切原「あ、明日はちゃんと学校来て下さいよ!//」
じゃ、と言って、逃げるように帰っていった。
その様子に名前はくすりと笑った。
『うん…明日は、行くね』
名前は立ち上がって公園を出た。
蒼「あ、帰って行くよ」
幸村「明日はちゃんと来てくれるといいね」
そんな話をしている中で、一人だけ難しい顔をしていた。
蒼「蓮二?」
柳「…わからない」
蒼「ほう…蓮二にもわからないことがあるんだね」
なぜか勝ち誇ったような表情をしていた。
幸村「蒼だって、苗字さんのことあまりわかってないだろ?」
蒼「知りたいから、蓮二に頼んでんだよ?」
柳「…そうだな」
そして、三人は仲良く(?)帰っていった。
.