名前を教えてね!
11章
名前変更
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妖刀・九雀丸––––
当初はただの妖刀だった
それを魔刀に変えたのは人間
人間による
彼の心を変え
鬼
即ち殺人鬼と化した──
ドクッ
夢魔「名前くん!ねぇ名前くんってば!」
揺らしても反応がなかった。
『え、千春ちゃん……』
その辺に落ちていた刀を手に取り名前に近づく。
ズサッ
玉章「君は用済みだ」
千春は後ろから刺され、名前の前に倒れた。
血の匂いが名前の鼻をくすぐった。
ドクッ
名前「………」
静かに立ち上がった名前から殺気が感じられた。
妖怪の姿ではないが、髪は長く、紅い眼をしていた。
だがその眼には感情がなかった。
玉章「その姿は人間と妖怪の血が混ざっているのか……迷っているんだね」
気がつけば空が白んでいて、リクオも妖怪の姿から人間に戻りつつあった。
側近たちが攻撃を仕掛けても軽々と防がれてしまい、リクオに刀が振り下ろされた。
リクオ「名前…!!」
体力はほとんど魔王の小槌に持っていかれていたので、最後の力を振り絞って九雀丸を抜刀して玉章を斬り飛ばした。
リクオと名前は刀を構えて玉章を見る。
玉章「なぜ……貴様達は、こんな弱い奴についてゆく…?」
青田坊「ああ?当たり前だろ……」
リクオ「玉章…てめぇの言うその"畏れ"、オレたちはテメェのどこに感じろってんだ…?」
リクオの姿をよく見れば、人間と妖怪の血が混ざった状態になっていた。
『……リクオくん』
リクオ「仲間をおろそかにする奴の畏れなんて––––誰も…ついていきゃしねーんだよ!!」
玉章「だまれ」
『えっ……?』
確かに玉章はリクオを斬った。
だが、それに手応えはなかった。
姿が見えたと思ったら腕が切れ、魔王の小槌を手放してしまった。
玉章「夜雀!?その刀…こっちに…よこせ–––!!」
魔王の小槌を手にして飛び去った。
名前「玉章」
玉章「っ……!?」
名前「オレはお前を許さない」
玉章を見下ろしてニヤリと笑う。
『だめ!!』
刀を振り下ろす前に勢いよく名前に抱きついた。
名前「…っ…!」
名前のおかげで我に返った名前は、ひと息ついて感情を落ち着かせた。
九雀丸を鞘に収めて玉章を睨んだ。
犬神「みっともねぇ姿ぜよ」
玉章「…犬神……ボクより、名前くんが…いいのか……?」
犬神「"今は"な」
玉章「はっ…ボクより不老不死がいいのか?」
犬神の持っている刀に力が込められた。
ボクを殺すか?と犬神を見上げる。
だが、前に現れたのが猩影で殺された父である狒々の仇をしようと刀を振りかざした。
ぬら「ふう~、まにあったわい」
姿を消していたぬらりひょんが登場。
刑部狸「おお…玉章…なさけない姿になりおって…」
心配するような震えた声で言って元の姿に戻った。
土下座をして謝罪をする。
ぬら「リクオ…どうすんだ、お前が決めろ」
首無「リクオ様…」
リクオ「一つだけ…条件がある…」
*****
玉章との戦いが終わり、平和が戻りつつあった。
一ツ目に一本の電話がかかり、それに対し激怒していた。
一人、外に向かっていて障子を開けると、そこに夜雀がいた。
夜雀「回収しました。山ン本五郎左衛門様……」
玉章に魔王の小槌を渡した張本人。
不穏な空気が流れる––––
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