名前を教えてね!
11章
名前変更
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玉章の百鬼がこちらに襲いかかってくる。
鼻の利く妖怪ばかりだ。
『名前の血が……』
「血をよこせ!」
夢魔「自分の血でも飲んでなさい((イラッ」
しつこく襲ってくる妖怪たちに腹を立てている様子だった。
夜雀の羽によって見えなくなった氷麗はやられてばかりだった。
リクオ「つらら逃げろ!!」
玉章はそれを見て、勝ち誇ったような様子だ。
リクオの畏れに気圧されたが一足早くそれを防いだ。
傷は浅くも怪我を負わせ、よろけたリクオの背中に氷麗の背中が当たる。
氷麗「未来永劫––––守ります。盃を–––––交わしたお方ですから」
玉章はリクオを、夜雀は氷麗を攻撃するようだ。
夜雀が氷麗に攻撃を仕掛ける。
氷麗の目は完全に見えなくなったわけではなく、左目を凍らせていた。
そして小さく唱える。
氷麗「我が身にまといし眷族、氷結せよ!
玉章「止まれ夜雀ぇぇぇぇ」
ニコッと妖しく笑う雪女。
氷麗「闇に白く輝け、凍てつく風に畏れおののけ!!」
呪いの吹雪"風声鶴麗"–––!!
夜雀を倒したことで見えなくなった視界が戻る。
氷麗「わっわっ、やりました!!リクオ様、私やりましたよ–––!!」
リクオはやり返しのように玉章を斬る。
リクオ「やるじゃねーか、つらら。さんざん人の側近見下しやがって、玉章よ…てめえの下僕の方が下じゃねぇか」
*****
名前を庇って戦う三人は疲れていた。
『ハァ、ハァ……』
夢魔「名前…休んでなよ」
名前の持つ扇子も使えば体力を消費してしまう。
犬神「オレ達に任せろ」
「今がチャンスだ!」
一斉に襲いかかってきた。
しゅるっ
名前「邪魔だ」
尻尾が妖怪を捕らえていた。
ギリギリと首を絞める。
『名前…』
名前「もう、大丈夫。ありがとう」
捕らえていた妖怪をぱっと離したが、すぐに斬った。
夢魔「わぁお…名前くんのお怒りモード」
名前「本当は陰陽師として戦おうと思ったけど無理だな」
『尻尾が全部……』
九尾と言えど、戦いに応じて出す本数を決めていて、本気になると九尾になる。
名前「さぁて……ザコは狩ってしまおう………」
素早い動きで次々と斬っていった。
敵も味方も名前のスピードには追いつけなかった。
幹部たちの戦いも終わろうとしていた。
玉章の幹部は全滅。
名前「あ、倒したんだ」
首無「名前さん、ご無事で!」
名前「名前たちの護衛頼んでいいか?」
残すは玉章といった感じだったが、ただならぬ妖気を感じた。
まるで舞うように味方を斬っていく。
それを見た針女が止めに入るが斬られる。
玉章は嗤う。
不気味に嗤う。
名前「魔王……!!」
玉章「それは、君もだろう……?」
かつて四国は––––
妖怪の宝庫だった
とりわけ狸妖怪たちにとっての楽園であったという
その数は人間の人口を遥かに上回っていた…
三百年程前––––
四国につたわる妖怪譚–––––
妖怪たちは勢いを増していき…やがて「懾」の旗の元に組織を結成
人間の城を乗っ取ろうとしていた
松山城にて待ち構えるは一万人ただの人間
対するは人智を超えた神通力を持つ"隠神刑部狸"率いる妖怪軍団
勝敗は火を見るよりも明らか…
だが–––––––…
狸妖怪たちは殲滅せしめられた
人間側が持っていた一本の刀によって…
銘を「魔王の小槌」
"妖怪を滅ぼす力"を持つ刀––––––!!
名前「オレの"やつ"より醜いな。まるで…蠱術」
あいつは一人で百鬼夜行を背負っているみたいだな
ザッ…
ゆら「待て!!そこの妖怪!!人を害する事はこの私が許さへんで!!」
式神を何体か出したがすぐに消されてしまった。
玉章「何のつもりだ…?ん…?」
このままでは完全に殺される。
名前「赤染"時雨"!!」
だが、名前が放った技で玉章を弾き出し、リクオが顔を斬る。
面が切れたところだけ外れた。
リクオ「死ぬぞお前、下がってろよ」
名前「"人間"の出る幕じゃねぇよ」
近くで見ると不気味である。
魔王の小槌がまるで生きているようだ。
これが百鬼夜行と言えるものなのだろうか。
そして、ゆらを人間の世話に回させた。
玉章「ボクは
リクオを斬り飛ばした。
玉章「何のために、千春を捕らえたと思ってるんだ?」
千春の腕を掴んで自分の元に来させて、頬を斬りつけた。
名前「やめろ!!彼女は関係ないだろ!!」
九本目の尻尾に触れる。
その手は震えていた。
玉章「まだ刺激が足りないようだね」
名前の腹を蹴ったあとに千春を蹴ると背中を斬りつけた。
倒れる千春を受け止める。
名前「や、やめ…ろ」
怒りを込めた妖気が放たれる。
まだ手は震えていた。
震える手で千春の傷を治した。
玉章「抜くのが怖いのか?……ならば–––!!」
力を込めた一撃が振り下ろされ、時雨で防ぐが耐えきれずに折れてしまった。
名前「なっ…!?」
ズサッ
鮮やかな赤が舞い散り、玉章と千春に飛んだ。
倒れることなく地面に両膝を付いた。
『いやぁ!!名前ぁぁ!!!』
玉章「名前くんの血は綺麗な色をしているね……」
刀に付着した血を舐めれば傷が跡形もなく消えた。
玉章「名前くんが"起きる"まで、リクオくんの相手をしよう」
名前を斬ったことで力を得た。
もしかしたら、リクオに玉章の相手は務まらないかもしれない。
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