名前を教えてね!
11章
名前変更
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現在、東京にぬらりひょんはいない。
この奴良組を束ねるのは三代目若頭のリクオである。
牛頭丸と馬頭丸が重傷で戻ってきて奴良組に不穏な空気が流れた 。
リクオが奴良組を束ねる器ではないと思う者も少なくはない。
『リクオくん!?』
夢魔「あら、ちょっと!無理しすぎたんじゃない?」
リクオは倒れてしまった。
何日も寝てないらしい。
目が覚めてからリクオは鴆に色々とぶつけた。
鴆「リクオ、お前は…お前の百鬼夜行を作れ––––!!」
*****
縁側で一人寂しく夜空を見上げている人物を見つけた。
夢魔「名前~♪」
『あれ、そのお酒どうしたの?』
夢魔「んとねぇ、リクオが盃を交わすんだって~」
めでたいから私も飲む~、と名前の隣に座って飲みだした。
『ねぇ、私って足手まといかな?』
夢魔「ちゃんと名前にも力あるんだよ~?」
名前くんから聞いてない?
『う~ん……』
私は、これでも陰陽師であって半妖。
側にいるだけで治癒できると名前から聞いたことがある。
夢魔「名前もリクオについていく?」
『うん!傷ついたみんなを癒したい』
七分三分の盃–––
忠誠を誓うという親分子分の盃–––––
氷麗が盃を受けている途中にリクオは妖怪の姿になった。
その気配を感じた名前は勢いよく立ち上がった。
夢魔は座ったまま名前を見て、その表情に満足気に微笑んだ。
そして、敵襲を聞かされる。
リクオ「兢兢としてんじゃねぇ。相手はただの化け狸だろーーが」
『リクオくん!』
前より頼もしくなってる。
リクオ「名前も、一緒に来るかい?」
そう言うリクオに、氷麗たちが驚く。
名前の返事にも同じく驚いた。
犬神「オレも、連れてけ」
リクオ率いる百鬼夜行と玉章率いる百鬼夜行が相見える時–––––
百鬼夜行は玉章のいる場所へ向かう。
玉章「キミもやはり百鬼を率いる器。あの程度では脅しにならないか…」
リクオくん…
やはりボクらは似ているね
お互いの"おそれ"をぶつけようじゃないか
百鬼夜行対戦の始まりだ
全員の表情が引き締まる。
いよいよ始まる。
名前は武器の一つである扇子を握り締めていた。
互いに緊張が走る。
鴉天狗「どちらが先に動くか…」
そして、動いたのは意外な人物。
『……えっ?』
リクオが動き、戦いは始まった。
名前に襲いかかる妖怪は犬神が倒していった。
『ありがとう』
犬神「気にすんな」
名前は扇子をもう一度握った。
いつも守られてばかりはいやだ
私だって戦える––––!!
四国組の幹部とリクオの側近との戦いが始まる。
青田坊と手洗い鬼、首無と針女、河童とガンギ小僧。
百鬼同士の戦いの中、ただ進むリクオ。
玉章の元へ着々と進んでいく。
玉章「お前たち!!何をしてる周りをよく見ろ!!」
なぜ誰も気づかぬ
リクオはそこにいるぞ
すでに玉章の目の前にいた。
リクオが刀を抜いて振り落とすが受け止めていた。
玉章「成程……これが"ぬらりひょんの力"………か」
玉章の目の前で、明鏡止水を唱えたことでリクオの居場所がわかる。
遠くでは、火事だと慌てる人間がいた。
名前「おー!やってるねぇ」
ビルの上から高みの見物。
玄武「……考えらんねぇな!あいつ…部下を盾にしやがった!!」
名前「玉章はそういう奴だ……あ!やばい!」
リクオの身に何か起こることを察知した名前は慌ててビルから降りた。
名前「リクオ!!」
リクオの背中を押して防いだつもりでいたが、間に合ってはいなかった。
夜雀の羽が散らついていた。
あれ、目の前が暗く……
玉章「やぁ、名前くん」
リクオ「名前…?そこにいるのか?」
目が見えなくても、匂いや妖気で把握はできる。
名前の目の前には玉章がいた。
そして少しずつ、リクオに近づく。
玉章「世の理には"隠"と"陽"がある」
"隠"は妖怪を表し、"陽"はその"隠"を倒す力を持つ。
妖刀もその類であると言える。
名前「……」
玉章はリクオに近づいて刺そうとする。
だが、妖怪化した名前の尻尾によって防がれた。
それを待っていたかのように玉章は笑う。
夢魔「名前くん!」
名前「え……」
リクオと名前がいる場所まで辿り着いた名前はあるものを目にした。
『う、そ……名前!』
玉章「これで、ボクの夢も叶いそうだ」
背後から心臓部を貫かれていた。
名前「ガハッ……う、そ…だろ……」
刺された箇所を押さえていて、息をするのも苦しそうだ。
地面に崩れながらも玉章を睨んだ。
玉章の隣に予想外の人物がいた。
玉章「これが、君の"弱点"だよ」
『千春ちゃん……?』
玉章は千春の持っていた刀と自分の刀を交換してリクオに近づいた。
名前「なんで…なんで…」
千春に近づいて肩を揺さぶる。
無言でこちらを見つめる。
『名前!』
氷麗「名前さん!」
二人の声で我に返り、距離を置いた。
千春は少し名前の腕を斬りつけていた。
名前「い、痛い……ハァ、普通の、妖刀じゃねぇ……ハァ…」
いつの間にか人間に戻っていた。
そして、リクオは玉章に刺されていた。
膝をついたリクオの肩に玉章は足を乗せた。
玉章「訊こう、奴良リクオ、我が八十八鬼夜行の末尾に加わらんかね?悪くないと思うぞ。働き次第では幹部にしてやらんでもない」
どうだ?とリクオを見下ろしながら言った。
リクオ「………ことわる」
てめぇと盃交わすと考えるだけで
虫唾が走るぜ
玉章「そうかね………残念だな。ならば君を殺して、君の百鬼の畏れをもらうとしよう!!」
勢いよく刀を振り下ろす。
それを防ぐ氷の槍。
氷麗「リクオ様、やっと…見ぃつけた!」
*****
~side 名前~
名前の弱点が千春ちゃん。
こちらを見たまま動かない。
夢魔「いつもの名前くんじゃない」
夢魔に言われた通り、確かに名前の様子がおかしい。
すぐに回復するはずなのにさっきからずっと苦しそうにしてる。
名前「"あれ"に結構…持ってかれた……」
夢魔「早く血を止めた方がいいよね」
『鴆さんは……』
名前「だ、大丈夫」
笑ってるつもりだけど、笑えてない。
助けたいけど名前の力には及ばない。
夢魔「あとは、つららが夜雀を倒してくれればだね」
名前「ああ。それまで寝る」
寝れば回復するから、と目を閉じた。
私は犬神さんを呼んで、できる限り安全な場所に運んでもらった。
私、夢魔、犬神さんで名前を守る。
~side了~
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