名前を教えてね!
10.5章
名前変更
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リクオの住む浮世絵町では四国妖怪が蔓延っている。
それを心配して東京がある方角を見つめる人物がいた。
朱雀「主人…ぼーっとしていたら危ないですよ?」
名前の手には手入れの途中である妖刀が握られている。
名前「あ、悪い」
玄武「どーした?いつもの小僧じゃねぇぞ?この玄武様が、相談に乗ってやろう」
屋根の上から元気な声で言って飛び降りた。
おまけにお酒を豪快に飲んでいる。
名前「その酒、どっから持って来たんだよ……」
玄武「御神酒じゃねぇからいいだろ」
あぁ、妖銘酒か、と言って刀に目を落とした。
名前「時雨にその酒をよくかけてたな」
玄武「かけるか?」
柄杓を持って来てそれに注ぎ、時雨にかけて綺麗に磨いた。
名前「大事にしてたら魂が宿るんだって」
玄武「刀に宿る……お前のにはどんな奴が宿ってんのかね」
?〈知りたいか?〉
確かに声が聞こえた。
急に周りが涼しくなったかと思えば、そこには人魚がいた。
その光景に名前は目を見開いた。
名前「…っ」
時雨に手を伸ばして優しく撫でる。
?〈妖銘酒"狐火"……心地よいぞ〉
玄武「あんたが時雨かい?」
時雨〈妾は時雨…その刀に宿る守護者〉
誰でも見惚れそうな容姿と美しい声をしている。
名前「え、じゃあ……いつから宿ってたの?」
時雨〈お前の手に渡り、銘を付けたときからだ〉
会いたいと願えばいつでも姿を現したと言う。
名前「へぇ、すごいや!じゃあ、九雀丸にも宿ってる?」
時雨〈宿っているが、願っても現れぬぞ〉
玄武「刀によって宿り方が違うってことか」
時雨〈そう言えるな。だが、九雀に宿る"もの"は危険だ〉
九雀丸は魔刀と呼ばれている
使用する者の恨みが募って刀に宿った
現在、名前がその後継者になったと言える。
危険なので厳重に封印と保管をしている。
名前「でも、九雀丸と類似してる刀を
時雨〈名前……"嫌な予感"がするぞ〉
そうか、昔、あの刀と交えたことがある時雨にはわかるのか
でもあの時……
玄武「おーい…名前?難しい顔してどした」
モヤモヤする……
あの時、オレは––––
時雨が話を逸らすために言う。
時雨〈せっかく、こうして現れたのだ。名前よ、妾の願い…聞いてくれぬか?〉
名前「えっ…あぁ、なに?」
悩める人々の願いを叶えてきた名前は、願いのワードには敏感である。
時雨〈社が欲しい。こんなに広いんだ、端にでも作ることは可能であろう?〉
名前「…ああ、作れるよ。あそこに建てるのは?」
指さした場所には大きな池があった。
しかも、その池の中に社を建てるという。
そこは神聖な場所でもあるし
水神様として祀るのもいい
時雨〈ほう…〉
なら頼んだぞ
妾はそこでお前を見守ってやろう
時雨は微笑んで姿を消した。
名前「さっさと建てちまおう」
翌日から工事を始めた。
その夜には名前は東京に戻る。
次に京都へ戻るときには完成しているだろう。
東京に戻って事件は起こる––––
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